2021.3.26在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

日本建築学会四国支部長賞を学生2名が受賞

松榮 友里さん(修士課程社会システム工学コース2年)と北村 真由子さん(システム工学群4年)が「日本建築学会四国支部長賞」を受賞しました。
本賞は、各大学で建築系を専攻する卒業生・修了生のうち、学業成績最優秀者を表彰するものです。

松榮 友里さん (修士課程 社会システム工学コース2年)

松榮さんは建築と土木の両方を学び、特に景観デザイン研究室(重山 陽一郎教授)では、構造と意匠について学んできました。土木寄りの研究室でしたが、建築・土木が一体となる公園などの設計に興味があったため、修士1年で二級建築士を取得し、建築分野の専門性も高めてきました。
修士設計では「海と運河に挟まれたキャンプ場のデザイン」というタイトルで、東日本大震災における津波被災地であり、住居建築が禁止されている宮城県仙台市に、この土地らしさが感じられるキャンプ場の設計を提案しました。
キャンプ場と宮城県に多く見られる盛土式津波避難施設「命山」を組み合わせることで、平坦になりがちなキャンプ場の地形を操作し、視覚的に楽しい空間としました。また、キャンプ場と周辺の自然環境との調和を考え、周囲にある松林、運河などと一体的に計画を行いました。さらに、キャンプ場に欠かせない管理棟やサニタリー棟などの建築部分も、周囲の環境に合わせて設計を行いました。

受賞を受けて「高知工科大学で"建築を学びたい"と高校3年生の4月に大学見学に来ました。その時に研究室を見学させていただいたのも重山教授でした。研究室配属後も、設計方針を考える際に背中を押すアドバイスをくださるなどのご指導に大変感謝しております。修士設計で時間を忘れるほどに没頭し、夢中で大きな模型を制作したことも貴重な経験となりました。今春からは、建設コンサルタントの職に就きます。将来は、公園や公共施設の設計、街づくりの計画に携わり社会に貢献していきたいと考えています」と感謝と今後の抱負を語りました。


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北村 真由子さん(システム工学群4年)
北村さんはコンクリート研究室(大内 雅博教授)に所属し、「木灰コンクリート」の強度増進について研究してきました。
木灰コンクリートは、現生植物由来の材料である木灰の燃焼灰(バイオマス)を主原料としており、最終的に肥料成分となる環境に優しく持続可能なコンクリートです。しかし、セメントを用いた普通コンクリートと比較し、強度は約1/4程度であり実用化するには課題がありました。
本研究では、消石灰添加と二酸化炭素デシケータ養生、石膏およびマイクロセルロースの3種類の混和材を用いて、どの混和材を添加すれば強度が増進するのか仮説をたてたうえで比較実験を行いました。その結果、石膏を添加した場合に、自ら強度を発現するエトリンガイドの生成促進されたことから強度が増進した可能性があることを示しました。また、他の2種については、養生条件や添加材の吸水量の影響をうけて強度が低下することが分かりました。

受賞を受けて「研究成果が評価され大変嬉しく思います。ご指導くださった大内教授はじめ研究室の皆様には心より感謝申し上げます。石膏を添加した木灰コンクリートの比較実験では、置換率を変えて20種類の実験を行い、1日で8時間実験をした日もありました。仮説どおりに強度が増進した時には高揚感が湧いてきました。卒業後はゼネコンで施工管理の職に就きます。大学での学びを生かし、質の高い建物の建築を安全に行えるよう精進していきます」と喜びと今後の抱負を語りました。

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