2021.3.31国際交流 / 在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

学生が国際会議iSAI-NLP 2020においてBest Presentation Awardを受賞

11月18日~20日、タイのバンコクイでオンライン開催された「国際会議iSAI-NLP 2020」で、小寺 祐生さん(大学院修士課程 情報学コース 2年)と小松 眞子さん(情報学群 4年)がBest Presentation Awardを受賞しました。

小寺 祐生さん(修士課程情報学コース2年)
発表テーマ:「A proposal of evaluation method using a pressure sensor for supporting auscultation training(聴診実習支援を目的としたセンサーを用いた聴診圧力の評価方式の提案)」

近年、日本の医学教育は座学だけなく臨床能力を重視するように急激に変化してきています。しかし、実習時間数が増加する一方で、指導教員の不足や負担が大きいといった課題が生じています。臨床実習には医療面接や聴診、触診など多種の実技が存在しますが、体を動かす必要のある実技は「ゆっくり」「かろうじて」など質的な基準で評価されており、客観的データに基づく指導が行われていません。特に聴診は極めて基本的なスキルですが、学生が正しく聴診器を扱い聴き落としてはならない音を聴いているかを教員が把握することは困難でした。そこで、小寺さんらの研究グループは聴診実習支援を目的に、センサーを用いた聴診圧力の評価方式の提案を行い、聴診器に感圧センサーを取り付けネットワークを通じた聴診圧収集システムを実装しました。取得した臨床医と学生のデータから「安定度」や「聴診間隔」といった特徴量を算出し、分析結果から熟練度の違いを説明できる特徴を数値として示しました。
今後、得られた特徴を教育システムへ活用することで、聴診器の扱い方を学生のみで自習することが可能となり、教員は貴重な対面指導をより重要なポイントの指導に充てることができるようになります。さらには、自習記録を教員が参照したり、注意が必要な学生の存在をシステムが発見してくれることで教員の負担を軽減しつつ従来よりも行き届いた指導を実現できるようになる可能性があります。

受賞を受け、小寺さんは「今回、このような栄えある賞を受賞することができ大変光栄です。敷田 幹文教授(情報学群)には論文執筆や研究の進め方について熱心にご指導頂きました。またシステムの実装に協力して頂いた研究室の後輩に感謝いたします。社会人になってもICTを用いて世の中の多くの人の暮らしを豊かにしていけるよう今後も邁進していく所存です」と感謝と今後の抱負を語りました。

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小松 眞子さん(情報学群4年)
発表テーマ:「Feature Extraction with SHAP Value Analysis for Student Performance Evaluation in Remote Collaboration(グループ学習遠隔指導に向けた学生評価のための特徴量のSHAP値分析)」


遠隔から複数のグループに対してグループディスカッション指導を行う場合、指導者は対面時のように部屋全体を見回すことが難しく、1グループを指導している間に他のグループの指導機会を見逃してしまうという課題がありました。
この問題を解決するため、センサーなど特殊なデバイスや大がかりな設備を使用せず、指導者に対してどのグループにどのような指導を行うべきなのかを提示する支援システムの実現を目指して研究を行いました。
まず、採用試験でのグループディスカッション練習指導を想定した実験を行い、カメラ映像のみから得られる20項目の特徴量(笑顔の度合い・手を動かしている時間・発言の時間など)を用いて、学生の評価を「合格」「ボーダーライン」「不合格」の3段階に分類するモデルを作成しました。次に、SHAP値を用いて分類に影響の大きい特徴量は何かについて分析を行いました。
その結果、映像から得られる特徴量から、3段階の評価に高い精度で分類できることを明らかにしました。また、発言者、非発言者の評価の分類に影響の高い特徴を明らかにしました。これらの評価や特徴量を指導教員に知らせることにより、指導教員が指導や評価を行う際の一助になることが期待されます。

受賞を受け、小松さんは「オンライン開催ではありましたが憧れの国際会議で発表することができ、貴重な経験となりました。さらに、このような栄えある賞をいただき大変光栄です。自主性を重視しやりたいことに挑戦させてくださった敷田 幹文教授(情報学群)および研究室の先輩方に感謝いたします。大学院では、ハイフレックス授業の指導支援について研究を深め、誰かの負担を軽減する成果をだせるよう邁進していきます」と受賞の喜びと今後の抱負を語りました。

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