2022.1.24在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院

自作ハイブリットロケットエンジンの開発に取り組むRaSKが「サイエンスカフェfor高校生」に登壇

1月6日、オーテピア高知図書館(高知市)で開催された「サイエンスカフェ for 高校生」(主催:高知県教育委員会・高知みらい科学館)に、学生団体RaSKが登壇し、自作ハイブリットロケットエンジン開発への取り組みを紹介しました。

本サイエンスカフェは、高知県内の高校生が、高知県の科学技術を用いた産業や宇宙開発について楽しみながら学習し、現役の研究者などとの会話を通じ科学技術と自らの将来について考える機会を提供することを目的として実施され、高校生約40名が参加しました。

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RaSK(Rocket and Sat community of KUT)は、ロケットや模擬人工衛星(CanSat)の開発や実験を行っている学生団体です。これまで、海外製の既製品の大型ハイブリットロケットエンジンを用いてロケットを製作し、到達高度約900mの打ち上げに成功しています。

発表では、近年、既製品ロケットエンジンの流通量が少なくなり、特に高推進力の既製品エンジンが入手困難になったことから「無いものは、自分たちでつくろう」と2017年から自作ハイブリッドロケットエンジンの開発に着手したことを紹介しました。開発したロケットエンジンは固体と液体の燃料を使うハイブリッド方式で、RaSKが流体力学、計算工学、設計工学などの専門知識を駆使して設計したことを動画も踏まえて説明しました。その後、高知県工業会受注拡大委員会の協力のもとプロの目線で設計の調整をしていただき、同委員会5社により10の部品が完成したことを紹介しました。今後は、自作エンジンの性能を確認するための燃焼実験に向けた準備を進めることや、打ち上げに使用するための軽量化に取り組んでいきたい、と発表を締めくくりました。

燃焼ガスを超音速まで加速させるための「ノズル」など2部品の製作にご協力いただいた株式会社山崎技研の岡本 吉行氏は、RaSK初代代表の熱意に心を動かされ、これは本物だと感じたことがロケットエンジン開発に協力するきっかけになったことを紹介しました。

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高校生からは「ロケットエンジンの開発で一番大変だったことは何ですか」「排気ガスはどのように処理されているのですか」といった質問や「ロケットを身近なものとして感じる貴重な機会になりました」「失敗ばかりで良い結果をだせない時には周りの方に相談することが大切だということを学びました」「一筋縄では作れないからこそ価値がある挑戦だと感じました」といった感想が寄せられました。

RaSK代表の永渕 大樹さん(システム工学群 3年・佐賀県立鹿島高等学校出身)は「将来を見据えることが大切だと思います。3年後のなりたい自分を想像して、今、自分がやるべき事に取り組むと夢は叶うと思います」と高校生にエールを送りました。

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なお、RaSKの自作ハイブリットロケットエンジン開発への取り組みは、海洋堂SpaceFactoryなんこくで2月27日(日)まで開催されている「身近に感じる宇宙展inなんこく~高知から宇宙へ~」で紹介しております。皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。

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