2022.6. 9在学生・保護者 / 地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

那須教授が「経営課題における学術統合とDX」をテーマにイブニングセミナーに登壇

5月18日、本学地域連携機構主催のイブニングセミナーをオンラインで開催しました。 本セミナーは、本学の研究成果による地域貢献事例を皆様に紹介し、地域の未来をともに考え、議論することを目的としています。
今年度第1回目は、那須 清吾教授(地域連携機構社会マネジメントシステム研究センター長)が「経営課題における学術統合とDX」をテーマに講演しました。

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那須教授は、多様な学術分野の統合によって複雑な課題を解決に導く新たなマネジメントシステムを創造する「統合マネジメントシステム学」を専門にしています。

セミナーの冒頭、社会の様々な情報がデジタル化されていく中で、デジタル化に対応しなければ生き残れない時代背景を紹介しながら、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」(経済産業省)と定義され、この目的を達成するために、システムの機能構造や創造プロセスを検討していく必要があることが説明されました。

続いて、那須教授は過去の研究事例として、「気候変動適応策」「社会基盤アセットマネジメント」「デジタル防災」について触れ、DXシステムの一例を解説しました。具体的には、四国の水資源について取り上げました。四国では気候変動によって水不足が多発する一方、洪水の危険性も懸念されています。その中で、気象学や水文学、経済学などの学問を統合し、気候変動の将来予測をシュミレーションするモデルを開発し、そこで得られた降雨パターンの変化を各地域に当てはめることで、気候変動によって地域が受ける影響を予測できるシステムを構築したことを紹介しました。また、仮想の事例として、高知県を訪れた観光客にサービスを提供する仮想の観光DXについて紹介しました。

最後に次世代のデジタル社会において求められる人材について解説しました。次世代のデジタル社会/知識社会においては、①多種多様なデータから必要な情報を合理的かつ簡易に抽出できる、②課題を多視点から分析し、そこから課題解決の方法を多視点により創造できる、③そのために必要な多様な学問の原理を理解している、④ ①~③を具体化できるマネジメント能力を有する人材が求められることが説明されました。

参加者からは「香美市で地域性を生かしてDX化するとしたら、何を提案されますか」、「これからの時代には深い知識よりも幅広い知識や情報が必要になりますか」などの質問が寄せられ、那須教授はそれぞれに丁寧に回答しました。

セミナーの動画は地域連携機構のYouTubeに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

次回のイブニングセミナーは、7月20日(水)、「「大学のある町」としての挑戦~生涯学び続ける地域づくりと香美教育コラボレーション会議~」をテーマに地域連携機構 長﨑 政浩教授が登壇します。

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