2022.8. 9在学生・保護者 / 地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

長﨑教授が「「大学のある町」としての挑戦~生涯学び続ける地域づくりと香美教育コラボレーション会議~」をテーマにイブニングセミナーに登壇

7月20日、本学地域連携機構主催のイブニングセミナーをオンラインで開催しました。 本セミナーは、本学の研究成果による地域貢献事例を皆様に紹介し、地域の未来をともに考え、議論することを目的としています。

今年度第2回目は、長﨑 政浩教授(地域連携機構 地域教育支援センター長)が「『大学のある町』としての挑戦 ~生涯学び続ける地域づくりと香美教育コラボレーション会議~」をテーマに講演しました。また、今回はゲストに香美市教育長の白川 景子氏、高知県立山田高等学校 校長の正木 章彦氏をお迎えし、これからの地域の学校教育の在り方について討論しました。

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長﨑教授は、共通教育教室で英語教育に携わりながら、地域連携機構の地域教育支援センター長として、未来を主体的に切り開いていける若者を育成するため、新しい教育の方法についての研究を進めています。

本学が位置する香美市は小規模な地方都市でありながら、保育園・幼稚園・小中高校・特別支援学校・大学の全てがそろう珍しい町です。今回のイブニングセミナーでは、これまでにない、教育における地域連携の取り組みである「香美教育コラボレーション会議」について、参加者らが学び、成長してきた様子などを具体例を交えて紹介しました。

セミナーの冒頭、長﨑教授は、2014年に香美市教育委員会、山田高等学校、山田特別支援学校と本学とで"よってたかって"創りあげてきた自由な会議「香美教育コラボレーション会議」について説明しました。この会議は、「大学のある町」として、地域の学校と大学が協働で新しい教育を創造し、未来に、そして、世界に羽ばたく子どもたちを育てることをミッションに掲げています。現在は、月に一度、有志が集まり、地域の教育について自由に意見を交わしています。他の有識者会議との大きな違いは「子どもたち」に視点があるという点だといいます。子どもたちが地域でやりたいことを考え、つくりあげる「香美市こども会議」や、小中高生と本学の学生が一堂に会し、課外活動や研究内容の成果を発表する「香美教育コラボ・プレゼンフェア」など、子どもたちの探究心を育む取り組みが、この会議から生まれていることを紹介しました。

続いて行われた自由討論では、香美教育コラボレーション会議が果たしてきた役割について、白川教育長、正木校長と意見交換をしました。正木校長からは、「8年前から参加していますが、様々な立場の方の意見を聞けることが勉強になっていますし、香美市の、子ども一人ひとりを大切にしている施策を知ることができる貴重な機会となっています。また、探究活動を取り入れたことによって地域とのかかわりが深くなり、成果発表のプレゼンでは高校生の伝える力が高まったことを実感しました」。白川教育長からは、「管内の小中学校で新しいことに取り組む際に、課題を共有しながら、情報交換できる場になっています。今後は、より一層形のある連携を進めていきたいと思っています。子どもたちが少し歳の離れた高校生や大学生と関わり学ぶ機会は貴重な経験となりますので、交流を深めるアイデアを持ち込みたいです。この会議が新しいステージに進んでも、今の子どもたちに何ができるのか考え続けていきたい」といった意見がだされました。

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次のテーマである、大学のある町としての挑戦では、正木校長から、「高大連携の取り組みに携わり高知工科大学の研究を知り、身近な大学で素晴らしい研究をしていることに驚きました。大学の力をかりて高校生を成長させ、地元で学んだことを活かして起業するような高校生を育てることが目標です。香美市で一貫して子どもを育てて地域に根差した高知県人をつくりたいです」、白川教育長からは、「工科大の知の力を子どもたちに実感してほしいと思っています。郷土を愛し未来を拓く子どもを育て、地域とともに学んだ子供たちが地域に貢献できるように育てていきたいです」といった意見がだされました。

最後に長﨑教授は、人が集い、学びあうために必要な考え方として、学ぶという新しい文化を創造するPLC(Professional Learning Community)・学校と共に成長するPartnership・熱中して取り組んでいる状態であるEngagementの3つを紹介しました。また、これらを成功させるためのキーワードは、権限を人にあたえるEmpowermentであり、一人ひとりが活動の主体者になることが成功につながっていくと、これまでの活動を通して実感したと述べ、セミナーを締めくくりました。

参加者からは「香美市はせっかく大学があるのでもっと大学生とも交流を持てるようになるといいですが、具体的に何かいい方法はありませんでしょうか」といった質問や、「香美市の子どもたちが羨ましいです。香美市の教育に関わっている方々の熱い想いが伝わってきました」「疑問、探究から始まる学びが理想だと思います。ぜひ香美市で実現してください」といった感想がよせられました。

セミナーの動画は地域連携機構のYouTubeに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

次回のイブニングセミナーは、9月21日(水)、「専門性に根差した地域連携機構の活動~これまでの歩みと今後~」をテーマに地域連携機構の岩田 誠教授が登壇します。

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