2022.12.22在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

綿貫 開さんが令和4年度土木学会全国大会 第77回年次学術講演会で優秀講演者に選ばれました

9月15日~16日の2日間、京都大学吉田キャンパスで開催された「令和4年度土木学会全国大会 第77回年次学術講演会」(テーマ:「文明化された社会」をこえてー土木學のめざすもの、主催:公益社団法人 土木学会)において、綿貫 開さん(大学院修士課程社会システム工学コース 1年・大阪府立春日丘高等学校出身)が優秀講演者に選ばれ表彰されました。

本賞は、将来の土木界を担っていく若手の研究者および技術者の論文内容や講演技術が向上し、さらに全国大会が活性化することを目的として定めたもので、土木学会全国大会で論文内容と講演内容の優れた40歳以下の研究者・技術者を対象に与えられます。令和4年度は3,466件の中から262名が表彰されました。

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受賞した論文の題目は「木灰の混合比率の調整と粉砕による木灰コンクリートの強度増進」です。

綿貫さんが所属するコンクリート研究室(指導教員:大内 雅博教授)では、2015年からコンクリート材料における物質循環の確立を目指して、木灰コンクリートの開発に取り組んでいます。木灰コンクリートは、木質バイオマス発電の副産物の灰に水を加えて作るコンクリートで、発生過程により、主灰・リドリング灰・飛灰の3種類に分類されます。林道の簡易舗装や斜面の固定壁などで実証実験を行い、十分な強度があることも確かめられていますが、建物などに利用するには強度面で課題があり実用化には至っていません。

本研究では、原料となる木灰の混合比率、水量を調整し、さらに主灰の粉砕による木灰コンクリートの強度増進を図りました。
綿貫さんは、骨材として扱う灰、セメントとして扱う灰の混合比率を調整し、それによる強度変化を調べ、最適な水飛灰比率を求めました。また、粒径を小さくし、骨材としての性状を向上させるため主灰を粉砕し使用することで、結果的に充填率の向上につながり、添加物を使用しない場合の最高強度としては、実験開始時と比較して約6倍の強度増進を実現しました。

受賞を受けて綿貫さんは、「初めての学会発表でこのような栄えある賞をいただき光栄です。ご指導いただいた大内先生にこの場をお借りして御礼申し上げます。研究配属された際に、誰もやっていないことに挑戦したいと思い、木灰コンクリートの研究に取り組みました。先行研究が少ないため、研究の方向性に迷うこともありましたが、地道にコツコツと研究を続け、とりまとめた成果が評価されたことを嬉しく思います。実用化までは長い道のりがありますが、私の研究が『環境に優しい持続可能な社会づくり』に、いくばくか貢献できれば幸いです」と受賞の喜びを語りました。

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