2022.12.28お知らせ / 在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

第64次南極地域観測隊の2名が昭和基地に無事到着

第64次南極地域観測隊員(夏隊)として11月に日本を出発した西川 泰弘助教(システム工学群)と山本 耕大さん(大学院修士課程 航空宇宙工学コース 1年/大阪府・私立大阪電気通信大学高等学校出身)から、12月27日に南極昭和基地到着の第一報が届きました。

昭和基地から約9キロ沖に停留する南極観測船「しらせ」からヘリコプターで無事到着した様です。

1227★昭和基地到着.jpg

(初南極の二人(左 山本さん/右 西川助教)と、9年ぶり2度目の上陸をはたした高知工科大学の旗)

現地でのミッションは、地震計などを搭載した「ペネトレータ」と呼ばれる先端の尖った観測器(直径10センチ、全長60センチ、重さ約10キロ)を設置し、地震活動や氷河の崩落などの動きを把握するための適切な実験場所を選定することです。この観測器には、他の研究機関の各種センサーと一緒に本学が開発したインフラサウンドセンサーも搭載され、南極地域での運用試験や氷河の観察を行う予定であり、上空から落下させて地表(氷)に差し込む方法で設置する計画です。本研究は、これまで人の到達が難しかった「白瀬氷河」にて、氷河の流動に伴って発生する地震動やインフラサウンドを的確にとらえることによって、氷河の状態や運動を精密に解明することが期待されています。また、南極での観測システムが整えば、崩落した氷河の規模などから地球温暖化の現状を把握することにもつながります。

1227★実験準備.png

(へリポートでドローンとペネトレータの試験を行なっています)

西川助教からのメッセージ

赤道を通過し、フリーマントルに寄港し、嵐にもまれ、氷を砕き、日本から40日間以上かけて、14,000 km 先の南極昭和基地に、西川と山本は遂に到着しました。この航海の間にもさまざまな出会いや出来事があり、毎日が新しいこととの出会いの連続で、一生忘れられない旅になることは間違いありません。ですが、ここからが本番です。南極に到着した日から、自分たちの研究はもちろんのこと、各種他部門の研究や設営、輸送などの支援にも精力的に動いています。南極はなにもかもが厳しく、自分自身がしっかりし、なおかつ助け合わなければ生きていけない場所なのだと実感しています。昭和基地での事前準備試験を終え、装備も整え、本番の南極大陸へ向けて、二人ともやる気満々です。次の記事ではいい報告ができるよう、両名とも頑張っていこうと思います。ご安全に!!

1227★西川先生.jpg

(人力で雪に刺したペネトレータ、次は空から落としてさしてみせます

山本さんからのメッセージ

1か月半にわたるしらせ船上生活も終わり、昭和基地入りしました。昭和基地は想像していたよりも寒くはないですが、風が吹くと刺すような痛みを感じます。聞こえるのは重機のエンジン音と風の吹く音、服のこすれる音のみですが、昭和基地の独特な雰囲気、南極の雄大な景色が目に飛び込んできて活力を与えてくれます。いよいよ南極観測隊として自分たちの活動が始まると意気込み、23日にも研究資材の輸送も終わり、今は実験体制を整え少しでも多くの成果を持って帰りたいです。ご安全に!!

1227★山本耕大さん.jpg

(海氷上を歩く訓練、基地の一歩外は危険がいっぱいです)
関連ニュースはこちらから

西川 泰弘助教が南極の氷河の流動を観測するため第64次南極地域観測隊に参加

山本 耕大さんが第64次南極地域観測隊(夏隊)の同行者に選出されました

RELATED POST

関連記事