2023.3. 8在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

小廣 和哉教授、大谷 政孝准教授が「新機能性材料展2023」に出展しました

2月1日~3日の3日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で「コンバーティングテクノロジー総合展2023」が開催されました。本学からは、当総合展の一つである「新機能性材料展2023」に、小廣 和哉教授(総合研究所/環境理工学群)、大谷 政孝准教授(総合研究所/環境理工学群)が、宇治電化学工業株式会社との産学連携による共同プロジェクトで成功させた「金属酸化物からなるサブミクロンサイズ球状多孔体粒子『MARIMO』の大量合成と応用」を出展しました。

本展示会は、R&D、製品開発・生産管理の方が対象で、モノを起点としたあたらしい加工やデバイスの最新動向がわかる展示会です。
展示会には、総合展全体で31,000名を超える来場があり、本学および宇治電化学工業株式会社の展示ブースには約200名の方が訪れました。

ブース写真2.jpg


産学連携による共同プロジェクトで大量合成技術を確立した「MARIMO(金属酸化物球状多孔体粒子)構造体」とは、数nmの金属酸化物粒子が多数集合した直径200~500nmの多孔質球状構造体のことで、多孔質・大表面積・球状・中実または中空(殻厚制御可)という特異な構造をしています。

粒径が揃っているため物質表面に単層配列できる他、要望に合わせて数種類の金属酸化物の複合化も可能で、新規な物性を持つ材料として応用できます。
金属酸化物球状多孔体粒子は、化粧品、顔料、インク、薬物/遺伝子送達、物質貯蔵/徐放、物質分離、断熱材料、太陽電池、電池電極材、反応触媒、触媒担体など、多岐に亘る研究分野、産業分野、医療分野等で極めて重要な粒子です。しかし、これを合成するには、これまで長時間反応や多段階に亘る複雑な反応操作が必要でした。

展示ブースでは、粒径の揃った各種金属酸化物球状多孔体粒子の極めて単純なワンポット-単工程の大量合成法開発に成功したことや、TiO2多孔体のユニークな表面ナノ凹凸構造の触媒担体への応用技術などを紹介しました。

小廣先生説明風景.jpg 大谷先生説明風景.jpg

さまざまな実用化の可能性を秘めたMARIMOについて、ブースを訪れた企業の方々からは多数の賞賛の声と、MARIMOを用いた応用事例に関する様々な相談をいただきました。
本展示をきっかけに本学の研究成果の実用化が進むものと期待されます。

本学は今後も研究成果の発表と企業等との連携を積極的に行い、世界の未来に貢献できる研究成果の創出と、地域社会との連携と貢献を実現してまいります。


【小廣 和哉教授の研究紹介】

本学発の超微粒子「MARIMO」から始まる 材料科学のイノベーション

本学発の超微粒子「MARIMO」の大量合成法を確立。ニーズが高まる「高機能歯科用接着剤」として初の商品化を実現

RELATED POST

関連記事