2023.11.28在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

電気・電子・情報関係学会四国支部連合大会においてTan Pengさんが英語発表奨励賞を受賞

9月23日に開催された「令和5年度電気・電子・情報関係学会四国支部連合大会」において、Tan Pengさん(大学院博士後期課程基盤工学コース 3年)が英語発表奨励賞を受賞しました。

同賞は、当日に発表を行った237名のうち、予稿および発表言語がともに英語だった15名の中からTan Pengさん1名に授与されました。

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Tan Pengさんが発表したテーマは、「Designing Soundscapes System for Walking Creativity(歩行による創造性向上のためのサウンドスケープシステム設計)」です。

歩行が人間の創造性を高めることは、これまでの研究で証明されており、ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)の分野でも、歩くことで創造的思考を促進するアプリケーションの研究開発がなされています。しかし、これらの多くは、システム側から一方向的に刺激を発信するのみで、ユーザ側の身体状態に適応するものではありません。 そこで、本研究では、創造性を効果的に向上させるため、サウンドスケープのリズムをユーザの歩行リズムに合わせて発信する「適応型リズム調整システム」を設計し、検証実験を行いました。その結果、マインドフルネス測定尺度や拡散的連想課題のテスト、インタビューの分析により、従来の一方向型システムでの歩行およびシステム無しの歩行と比較して、この双方向型システムの方が、ユーザの歩行中の集中力を維持し創造性をより向上させることが分かりました。

これは、人間とコンピュータのsynergized interaction(※)の理論を技術化するための一助となります。

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受賞を受けて、Tan Pengさんは「中国から来日し、高知工科大学のCenter for Human-Engaged Computing(CHEC)で博士号取得のための研究ができて光栄です。研究室では、指導教員の任 向実教授や仲間から、コミュニケーション面や研究に関する技術的問題の解決だけでなく、研究者としての精神的な向上についても励ましとサポートをいただいています。次の研究課題は、人間とコンピュータのインタラクションリズムをデータ化し、最適化するためのアルゴリズムを開発することです」と語りました。

※ synergized interaction
任教授が提唱した概念で、人間側またはコンピュータ側から一方向的に発信する相互作用のことではなく、人間のニーズや身体的・心理的状態に合わせてコンピュータ側が自律的に発信・応答し、人間の認知能力など潜在能力を向上させる双方向型で相乗効果的な相互作用のことをいう。

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