2023.12. 5在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

小松 正彦さんが国際学会E-MRSでポスター賞を受賞

9月18~21日までの4日間、ポーランドのワルシャワで開催されたThe 2023 Fall Meeting of the European Materials Research Society(E-MRS)において、小松 正彦さん(大学院修士課程 知能機械工学コース 2年・滋賀県立水口東高等学校出身)がポスター賞を受賞しました。

E-MRSは、物質科学研究分野においてヨーロッパで最も大きな学会として知られており、小松さんは、エネルギーと光電子工学の見地から二次元材料の可能性について議論するシンポジウムJで発表を行いました。

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小松さんが発表したテーマは、「Deposition and layer number control of molybdenum disulfide(MoS₂)thin films by mist CVD(ミストCVDを用いた二硫化モリブデン(MoS₂)薄膜の形成と層数制御)」です。

半導体を今よりもさらに軽薄短小化するため、機能性薄膜の薄さが追求されています。機能性薄膜の1つであるMoS₂薄膜は、層状に成長する材料で、その層数を一層に制御することで微生物を超える極限の薄さにすることができます。材料革新サスティナブルテクノロジー研究室(指導教員:川原村 敏幸教授)では、MoS₂薄膜の作製にミストCVD法を採用することで、従来のCVD法に比べ、安全性の向上や環境負荷の低減に成功しています。
小松さんは、このミストCVD法において、MoS₂薄膜の品質向上をめざし、成膜後の酸化を防止するため冷却工程を導入しました。加えて、ガスの流量制御により層数を操作できることを実証。また、支援剤として塩化ナトリウムを溶媒に投入することで、より低流量下での薄膜形成に成功しました。

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小松さんは「ご指導いただいた川原村先生に感謝しています。先生にお声がけいただき、今回初めて国際学会に参加しました。英語が得意ではありませんが、ボディランゲージを交えながら自分の研究を伝えることができました。学会発表の楽しさを知ることができ、チャレンジして良かったと思います。また、一緒に参加した研究室の仲間の存在も大きかったです。今後は、噴霧器を増やした第3世代ミストCVD法で、より高度な原料供給制御による単層化に挑戦したいです」と熱心に語りました。

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