2023.12.25在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

坂上 駿太さんが国際会議ACM Multimedia Asia 2023のショートペーパー部門に採択

12月6~8日に台湾で開催された国際会議「ACM Multimedia Asia 2023」に坂上 駿太さん(情報学群 3年・愛媛県立三島高等学校出身)の論文(ショートペーパー部門)が採択され、ポスター発表を行いました。

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ACM Multimedia Asiaは、マルチメディア分野でトップレベルの国際会議で、この分野の研究者や技術者を一堂に集めることで、マルチメディアコンピューティングの最先端を明らかにすることを目的としています。このようなトップレベルの国際会議に学士3年生が主体となって進めた研究が論文採択されることは、世界的にも稀なことです。

論文のタイトルは「Reducing Objective Difficulty Without Influencing Subjective Difficulty in a Video Game(主観的な難易度に影響を与えることなくゲームの客観的な難易度を下げる方法)」です。

プレイヤーの技量に合わせてゲームの難易度を意図的に調整する動的難易度調整は、ゲーム体験を向上させる一方で、過度に明白な調整は、プレイヤーの達成感や主体感などを損なわせる可能性があることが指摘されています。そこで、坂上さんはプレイヤーが認識する主観的な難易度に影響を与えずにゲームの客観的な難易度を下げる方法として、「衝突検出エリアの調整」と「時間経過操作」の2つの手法を提案。
単純なシューティングゲームに組み込み、共著者の木村 太樹さん(情報学群 3年・愛知県立豊田北高等学校出身)とともに実験を行って統計的に検定したところ、提案手法の意図するとおり、プレイヤーの主観的なゲーム難易度を保ったまま、ゲームの客観的難易度(この場合敵弾被弾回数やゲームクリア回数など)を下げられることが強く示唆され、有効性が確認されました。また、実験後のインタビューでは、難易度調整の適用に気づいた被験者はいませんでした。

客観的難易度と主体的難易度を区別する難易度調整法の研究は未だ少なく、また、実際の商用ゲームなどにも適用しやすい手法であるため、ゲーム体験への悪影響を回避できる難易度調整の実践的方法としても有益な発見です。

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(1枚目:左 坂上さん、右 木村さん、2枚目:シューティングゲーム画面)

坂上さんは「熱心にご指導くださった、また、今回の機会をくれた西野 裕樹准教授に感謝しています。この研究室に入るまで自分に自信が持てなかったのですが、今回成果を出すことができて嬉しく思います。また、初めて国際学会に参加したことで、チャレンジ精神が身につきました。一方で、優秀な参加者の方々とのレベルの差も感じたので、より一層研究に励みたいです」と感謝と抱負を語りました。

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