2025.3.24在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

日本機械学会中国四国支部講演会で2名の学生が優秀発表賞を受賞

学生2名が、3月6日に開催された日本機械学会中国四国支部の「中国四国学生会 第55回学生員卒業研究発表講演会」において、「優秀発表賞」を受賞しました。

前河 俊大さん(システム工学群 4年)
指導教員:流体工学研究室 辻 知宏教授
発表テーマ「高分子液晶プラスチックの強度に及ぼすせん断および伸長流動の影響」

船舶のロープや耐震補強材等に活用される高分子液晶は、棒状の分子が整列することで高強度を実現しています。高分子液晶は、円柱状に押し出し成型される際、表層近くでは分子が整列しやすく、中心部では分子が整列しにくいという特徴があります。そのため、直径が大きくなるほど、成型物に占める分子の低整列領域の割合が大きくなり、強度が下がってしまいます。これを克服するため、前河さんは、押し出し口にテーパ角を設けることで伸長流動を発生させ、成型物の中心部での分子の整列を試みました。テーパ角の大きさを変えて作製した高分子液晶材料の強度を測定し、伸長流動が分子の低整列状態を改善することを明らかにしました。さらに、テーパ角が60°の場合に、通常の押し出し成型物に対して約2.5倍の強度を実現しました。

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受賞を受け、前河さんは「ご指導くださった辻先生に心から感謝しています。このような栄えある賞をいただけたのは辻先生のおかげです。また、材料強度に関する知見とご助言をくださった楠川先生にもとても感謝しています。この春からは、繊維系の企業へ就職します。本研究との親和性も高いので、ここで学んだことを活かして頑張ります」と話しました。

林 暖さん(システム工学群 4年)
指導教員:動的デザイン研究室 園部 元康教授
発表テーマ「靴紐の締め具合が歩行メカニズムに及ぼす影響」

靴紐が緩い状態で歩行することで身体に負荷がかかることが、先行研究で明らかになっています。しかし、それらは、靴紐の締め具合の評価方法が課題であり、締め具合に応じた歩行メカニズムが明らかになっていません。そこで、林さんは、光学式モーションキャプチャ等を使って,両くるぶしの中点と靴のかかと部分の離れ具合を計測しました。靴紐が緩くなるほど、その距離が大きくなることを明らかにし、靴紐の締め具合を定量的に評価しました。また、実験により、靴紐の緩さは、歩行時の頭部の安定性や骨盤の回転角度にはほとんど影響を与えませんが、接地時の膝の屈曲角度には影響を及ぼす可能性があることを明らかにしました。

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受賞を受け、林さんは「ご指導くださった園部教授をはじめ、実験を手伝ってくれたり、助言をくれた研究室のメンバーに感謝しています。この春からは、修士課程に進学します。引き続き、研究に励み、歩行メカニズムの詳細を明らかにして社会に役立つ成果をあげられればいいなと考えています」と語りました。

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