2018.11.21在学生・保護者 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

学生が"観測機器の自律制御回収システム"の開発に向けスウェーデンに研究留学

小型気球を使った観測実験における"ペイロード(観測機器)自律制御回収システム"の開発に取り組む平塚 丘将さん(大学院修士課程 電子・光工学コース2年)が、さらなる研究推進のため高知工科大学の長期留学制度を利用して、アッパーオーストリア応用科学大学(University of Applied Sciences Upper Austria)とスウェーデン北部のルレオ工科大学(Lulea University of Technology,LUT)に約2ヶ月間の研究留学を行いました。

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ルレオ工科大学は世界的な気球実験実績で有名な大学で、昨年、山本 真行 教授(システム工学群)が同大学学生が参加するヨーロッパ宇宙機構(ESA)の大気球BEXUSによる実験に関わった事から連携が深まり、この度の平塚さんの研究留学が実現しました。

留学期間の前半は、大気球を使った最先端の実験現場やキャンパス内の視察、博士論文の公開審査発表会の聴講、授業やセミナーの聴講等を行い、後半は、気球実験を行う学生や指導教員との情報交換を積極的に行いました。
情報交換の際、ペイロード(実験機器)を載せた気球実験の実績が豊富なThomas Kuhn准教授(宇宙工学)を訪ねたところ、同准教授も平塚さんの研究内容に興味をもたれ、来年予定されているルレオ工科大学での気球を使った実験に絡め、日本では安全な実験候補地の少ないペイロード回収システムの誘導制御の検証実験を現地で行う話が進むなど、自律制御回収システムの実現に向けた研究協力も得られることになりました。

また、10月14日には、ルレオ工科大学 情報・電子・宇宙工学部(LUT Faculty of Computer Science, Electronics and Space Engineering)と本学システム工学群との間で学術交流協定と学生交流に関する覚書を締結しており、今後はルレオ工科大学側からも本学に大学院生が派遣される可能性が高く、研究成果の情報交換等の交流により更に連携を深めていく予定です。

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平塚さんは「今回、海外の研究者や学生の実験現場を生で見て、最前線の研究者と議論させてもらうことで自分の中の世界が大きく広がりました。また滞在後半のスケジュールは自分で決めなければならなかったため、英語でのコミュニケーションが強いられましたが、英語力とは語学力にも増して話す度胸が重要であると感じました。来年度からの博士後期課程では、今回の留学経験を活かし更に研究を進め、実験現場でのニーズに合った高精度の自律制御回収システムの構築に努めていきたいです」と感想と今後の抱負を語ってくれました。

山本教授からも「彼や彼の先輩達がやってきたことが、ようやく世界の舞台に出て行くフェーズに入って来ています。今後も本学の研究留学制度を活用し、継続的に取り組みを発展させることで、海外での実験を継続的に実現させていきたいと思っています。また、今回の連携を機に、ヨーロッパの大学との交流も広げていきたいと思っています」とエールを送りました。

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