2019.8.21在学生・保護者 / 地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

フューチャー・デザインセミナーを高知で初開催しました

8月7日、永国寺キャンパスにて、フューチャー・デザイン研究所主催のセミナーを開催し、フューチャー・デザインに関心のある自治体・企業・大学の方、大学生など約30名が参加しました。
フューチャー・デザインとは、現世代だけでなく将来世代の利益も反映させた意思決定により持続可能な社会をデザインする考え方です。本セミナーでは、この考え方を実際に行政に取り入れている自治体の事例などを説明し、そのあり⽅を知ってもらうことを目的に開催しました。

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まず冒頭に、西條 辰義 教授が将来から今を考えるフューチャー・デザインの考え方について解説しました。その後、フューチャー・デザインのワークショップを行っている各自治体から実例の説明がなされました。中でも松本市の事例では、市役所新庁舎建て替えの基本構想等に、フューチャー・デザインによる市民の意見が導入され、実際に市の政策に反映された事が紹介されました。公募により参加した松本市民71名のワークショップから、フューチャー・デザインの手法を用いて出た「コミュニケーションが芽生える庁舎:まちとひとを接続するハブ機能、新たな共創」「コンパクト+ネットワーク型の庁舎:行政機能の適切な配置、行政機関を生かし支える」「世代を超えて受け継がれていく庁舎:フレキシブルな設計」という考え方が、建て替えの基本構想に盛り込まれた経緯が詳しく説明されました。

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参加者は皆熱心にメモを取りながら、真剣な表情で話に聞き入っており、各セクション後の質疑応答では、次々に質問が飛び出しました。「市民ワークショップに参加していない市民への説明・対応はどうしているのか」「ワークショップ参加者の世代間ギャップはどのようなものだったか」「ワーキングメンバーの選定は公募と無作為抽出では結果にどのような違いがあるのか」等の質問をきっかけに、それぞれ活発な議論が起こり、白熱したセミナーとなりました。

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西條教授は「本セミナーをきっかけに、高知県内でも共同でフューチャー・デザインの研究をすすめる動きが始まり、フューチャー・デザインの考え方が高知県にも広がる契機となるセミナーになりました」と語りました。
また、県外から参加した自治体の方からは「初めてフューチャー・デザインという考え方を知り、将来人になりきるという発想をとても新鮮に感じました。今後どんどん政策に取り入れられるようになれば、期待の持てる研究だと思います」と感想をいただきました。

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