2019.11.20地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

「津波防災に向けたインフラサウンド観測網の構築と活用」を世界防災フォーラムで紹介

11月10日~12日に仙台国際センター会議棟で開催された、世界防災フォーラムで、山本 真行教授(システム工学群/総合研究所 インフラサウンド研究室)が「津波防災に向けたインフラサウンド観測網の構築と活用」について紹介しました。

本フォーラムは、スイスの防災ダボス会議と連携し、国内外から産・官・学・民の防災関係者が集まる日本発(仙台発)の国際フォーラムです。アジアに重点を置き、広く市民も参加できるというユニークな特徴があり、東日本大震災に関する知見の共有や防災の具体的な解決策の創出等を踏まえ、「仙台防災枠組2015-2030」の推進及び「BOSAI」の主流化を仙台から世界へ浸透させることをめざし開催されました。


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(一番左にある黒い箱型の装置が沿岸部に設置しているインフラサウンドセンサー。 家庭に設置可能なサイズであり「地域に1台」のように、1つ観測点が増えるごとに地域全体への防災活用が期待できるものです)

山本教授が研究しているインフラサウンドとは、津波をはじめ、地震、火山噴火、雷、土砂災害、雪崩などの地球物理学的な現象や、人工的な爆発等によって発生する、人の耳には聞こえない超低周波音のことです。

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インフラサウンドの観測網を構築し日々の変動を連続的に計測できれば、各地域における災害危険性の指標となり得ることから、 山本教授はインフラサウンドの防災への活用に向けた研究を日々進めており、現在では自治体や企業、住民の皆様のご協力のもと全国30か所にインフラサウンドセンサーを設置し観測実験を行っています
また、今年の5月4日には、民間単独開発として日本で初めて宇宙空間に到達した観測ロケットMOMO3号機で、高層大気中でのインフラサウンド観測実験に成功するなど、インフラサウンドに関する基礎研究も同時に進めています。

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今回の世界防災フォーラムでは、プレゼンテーションおよびブース展示にてインフラサウンド関連の研究成果を説明し、インドネシア・フィリピン・モルディブなど10カ国以上の防災関係の方々と密な話し合いができました。特に海洋国・島嶼国において津波防災への関心が高く、低コストかつ陸上設置型のインフラサウンド津波センサーへの期待が高いことを確認できました。
近い将来、インフラサウンドが世界の防災インフラとして活用されるよう、今後も研究活動を続けてまいります。

防災は、事前の災害対策、発災後の緊急対応、さらに復旧・復興の段階を含めた包括的な取り組みをさすことのできる言葉です。日本語の防災を「BOSAI」と英語化することで、防災の考え方を、世界各国の政策や社会・文化に浸透させること(防災の主流化)をめざします。

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