2020.1.29地域・一般 / 地域貢献 / 学生生活 / 研究 / 研究者・企業

フューチャー・デザイン・ワークショップ2020で西條教授らが講演

1月25日・26日、東京都で開催された「フューチャー・デザイン・ワークショップ2020」(主催:東京財団政策研究所等)で、フューチャー・デザイン研究所から西條 辰義教授中川 善典准教授Raja Timilsina助教、Mostafa Shahenさん(博士後期課程基盤工学コース 2年)が講演し、自治体、大学等の研究者など約120名が参加しました。

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フューチャー・デザイン(※)の考え方の提唱者である西條教授は「フューチャー・デザイン:実践の原則」をテーマに講演しました。冒頭、資本主義の市場システムや民主制の社会システム、1950年代からのCO₂排出量増加等によって地球に限界がきているとの危惧を述べました。これに対し、ヒトには現在の利得を減らしてでも、血縁関係のない将来世代の豊かさを優先できる性質があることを解説し、フューチャー・デザインを民主制に用いて、上記問題を解決できる可能性があることを紹介しました。
さらにフューチャー・デザインにおいて、批判的公開性(市民の権利に関わる実践を実施するにあたっては、その行動原則が公開性を満たしていないと不正であるという考え方)を実現するためにはどうすればいいか、当事者主権・市民主権の考え方実現のために研究者が気をつけること、ファシリテーターの重要性等を解説しました。

講演後の質疑応答では、「ファシリテーターのコツはどのようなものがありますか」、「政策にフューチャー・デザインセッションを取り入れる場合、構成員はどのように選定すればいいでしょうか」など多くの質問があり、西條教授はそれぞれに丁寧に答えました。

その後の発表では、西條教授のフューチャー・デザインの考えに賛同し政策決定等に取り入れた矢巾町、松本市、吹田市の事例や、経済産業省の取り組み等が発表されました。

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2日目に登壇した、中川准教授は「仮想将来人たちがアイデア発想能力を最大限に発揮して討議できるようになるための紙芝居作成の試み ~近畿地方のある自治体でのフューチャー・デザインの実践例を素材として~」をテーマに、Raja Timilsina助教は「Future Design and Social Cohesion: Evidence from Nepal」をテーマに、Mostafa Shahenさんは「How do individuals behave in intergenerational sustainability dilemma? A strategy-method experiment」をテーマにそれぞれ講演しました。

参加者から「国、全国の自治体・団体・個人・医療分野にまで、フューチャー・デザインの手法が広まっていると実感でき、非常に勉強になるイベントでした」と感想がありました。

※フューチャー・デザインとは、現世代だけでなく将来世代の利益も反映させた意思決定により、持続可能な社会をデザインする考え方です。

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