2021.3.25在学生・保護者 / 地域・一般 / 学群・大学院 / 研究

学生が日本機械学会「畠山賞」および「三浦賞」を受賞

仲村 兼斉さん(システム工学群 4年)が日本機械学会「畠山賞」を、川村 優太さん(修士課程 知能機械システム工学コース 2年)と砂辺 一行さん(修士課程 航空宇宙工学コース 2年)が日本機械学会「三浦賞」を受賞しました。

日本機械学会畠山賞

「畠山賞」は、4年制大学機械系学科卒業者で人格、学業ともに優秀な学生に対して贈られる賞です。

仲村 兼斉さん(機械・航空システム制御研究室 原田 明徳准教授)
研究テーマ「定期旅客便の軌道予測のための3パラメタ法による⾶⾏軌道最適化」

航空機に搭載されている飛行管理システムを地上で再現する研究に取り組みました。軌道予測に必要な最適軌道の生成において、3パラメタ法と呼ばれる方法をもとに、最適性の原理から着想を得た計算方法を新たに提案し、従来よりもはるかに少ない計算量で同精度の最適軌道が得られることを示しました。これによって最適軌道と実飛行との比較を多数の飛行ケースについて行うことができるようになるため、飛行管理システムの再現に向けた研究に貢献できると考えています。

研究は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う自粛期間によって出遅れたスタートでした。また、航空交通量は急減しており、先の読めない日々が続いていました。それでも、指導教員の原田准教授からのご指導の元、将来のためという強い意志と論理的な思考を念頭に研究に励みました。自ら構築したプログラムでは不注意によって振り出しに戻るなど困難に直面しつつも新たな成果を得ることができました。苦労して得られた研究成果が大学院進学後の研究につながることを楽しみに今後も邁進していきます。また、これからの自らの道においても、今回の受賞を励みに、強い意志、論理的な思考、小さな気づきも大切にしていくという研究を通して学んだことを大事にしていきたいと思います。


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日本機械学会三浦賞

「三浦賞」は、大学院機械工学系修了者で、人格、学業ともに最も優秀であると認められた学生に対して贈られる賞です。

川村 優太さん(ものづくり先端技術研究室 松本 泰典准教授)
研究テーマ「機能性含有のユズ種子油生成システムについての開発」

私は高知県の特産であるユズの種子から採れる油の生成システム開発を行いました。共同研究を行っている高知大学医学部の溝渕 俊二教授や馬路村農業協同組合によって、ユズ種子油にはアトピー性皮膚炎の改善や抗酸化能といった効果があることが明らかになりました。しかしながら、精製時に成分が損失してしまう課題がありました。したがって本研究では、機能性成分を十分に含有させた連続式ユズ種子油生成システムの構築を目的として行いました。その結果、特に搾油後において、成分を上昇させる熱処理を行った後に、加圧式フィルターによる固液分離操作の基礎データを得ることに成功しました。今後、本研究結果を基に実用化され、ユズ種子油が普及することにより高知県に貢献できるのではないかと考えています。

この度は輝かしい三浦賞を頂戴し光栄に思います。研究室では、新しく開拓した油という分野であったため、一筋縄ではいかず、進捗がうまくいかないことがありました。しかしながら、松本准教授の非常に手厚いご指導や研究室メンバーのご協力のお陰で研究が進み、受賞することができました。

今春から重工企業に就職しますが、研究室で得た技術的および人間的な学びを生かして、社会に貢献できるような製品づくりをしていきます。

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砂辺 一行さん(航空エンジン超音速流研究室 荻野 要介講師)
研究テーマ「アーク加熱風洞内異常輻射加熱の再現を目指した励起非平衡計算コードの構築」
宇宙機の耐熱コーティングの最適値を導くための研究をしてきました。その中で、宇宙機などの耐熱試験に用いられるアーク加熱風洞※において、数値計算を大幅に上回る輻射が観測される「異常加熱現象」が、20年以上も未解決の問題となっています。この問題を解決するために、従来の計算コードでは近似、あるいは無視されていた物理現象(電子励起非平衡)を厳密に計算できるコードの構築を行いました。

三浦賞を受賞できて大変嬉しく思います。ご指導いただいた荻野講師と野﨑 理教授をはじめ、苦楽を共に乗り越えた研究室メンバー、いつも心の支えであった両親に感謝します。就職後も、大学で身に付けた学習の習慣を継続し、少しでも早く活躍できる存在になりたいです。

※大気圏突入時の超高速気流を再現する装置


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