2022.2. 3地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

西條 辰義特任教授らがフューチャー・デザイン・ワークショップ2022で講演

1月29日・30日、オンライン開催された「フューチャー・デザイン・ワークショップ2022」(主催:高知工科大学 フューチャー・デザイン研究所他)にて、本学フューチャー・デザイン研究所西條 辰義特任教授中川 善典教授Moinul Islam講師井上 裕香子​助教、Pankaj Koiralaさん(博士後期課程基盤工学コース 3年)が講演しました。

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フューチャー・デザイン※¹の考え方の提唱者である西條特任教授は1日目に「フューチャー・デザイン2022のイントロダクション」をテーマに講演しました。冒頭、物質・社会・経済など様々な循環のコントロールに失敗してきたここ120年余りの人類の歴史を振り返り、ヒトの特性(社会性・相対性・近視性・楽観性)を体現した「自由市場」、「民主制」について紹介しました。しかし、それらの社会システムにおいては、将来を見る目が欠如しているため、ヒトが本来持っている将来可能性(現在の利得が減るとしても、これが将来世代を豊かにするのなら、この意思決定・行動、さらにはそのように考えることそのものがヒトをより幸福にするという性質)をアクティベイトするような社会の仕組みをデザインし、実践していくことが重要であると述べました。さらに、フューチャー・デザインの思考方法とバックキャスト、フォアキャストの違いを解説しました。最後に、複数のフューチャー・デザインのビジョンが提案された場合でも、 アローの不可能性定理※²に当てはまることはなく、ひとつのビジョンに統合・構築できることが観察されていると説明しました。

続いて中川教授は、パネルディスカッションのファシリテーターを務め、複数のフューチャー・デザインのビジョンをまとめ、紹介しました。
また、2日目には、Moinul Islam講師は「Cycle of nature and sustainable development from a perspective of nitrogen inputs」をテーマに、井上助教は「将来世代への利他行動に対する現世代他者の評価」をテーマに、Pankaj Koiralaさんは「Deliberative forms of democracy and intergenerational sustainability dilemma」をテーマにそれぞれ講演しました。

※¹フューチャー・デザインとは、現世代だけでなく将来世代の利益も反映させた意思決定により、持続可能な社会をデザインする考え方。
※²アローの不可能性定理とは、3つ以上のビジョンがあり、この中からひとつのビジョンを選ぶルールが見つかるなら、この社会には独裁者がいることになるという考え方。

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