2024.3.25在学生・保護者 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究 / 研究者・企業

日本機械学会中国四国支部講演会で3名の学生が優秀発表賞を受賞

学生3名が、3月7日に開催された日本機械学会中国四国支部の「中国四国学生会 第54回学生員卒業研究発表講演会」において、「優秀発表賞」を受賞しました。

同講演会での発表総数171件中21件が、同賞を受賞しました。

小山 泰輝さん(システム工学群 4年・兵庫県立明石高等学校出身)
指導教員:動的デザイン研究室 園部 元康准教授
発表テーマ「外部摂動に対する立位の足関節応答の左右非対称性の評価」

バランス動作における非対称性の評価は、ヒトの動きが検査のたびに異なるという再現性と、結果が検査者の主観に依存するため精度に乏しいという課題があります。そこで、動的デザイン研究室が製作した揺動試験機を用いて、立位時に支持面揺動を与え、足裏の床反力を計測。左右の荷重差をリアルタイムでモニターに映し、被験者自身が荷重差を意識・是正することで、より精度の高い評価方法を提案しました。

★1E7A0819.jpg ★1E7A0188.jpg

受賞を受け、小山さんは「ご指導くださった園部先生と時間を割いて実験に参加してくださった被験者の方々に感謝申し上げます。この研究室に入って、大きく成長することができたと自負しています。夏には国際学会での発表も控えていますし、修士課程でも、勉学・研究に励み続けたいです」と語りました。

内藤 美海さん(システム工学群 4年・大阪府・私立東海大学付属大阪仰星高等学校出身)
指導教員:先端機械・航空材料工学研究室 高坂 達郎教授
発表テーマ「金属/熱可塑CFRPマルチマテリアルのプレス形成に関する研究」

軽くて強度の高いCFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、軽量化と燃費向上に寄与する点で、自動車のフレームとしても有用です。しかし、CFRPは生産に時間とコストがかかるため、主に高級車への使用に限定されているのが現状です。そこで、内藤さんは、大量高速生産および従来の製造ラインでの加工が可能な、金属とCFRPを組み合わせた積層材(CFRTP積層材)の開発をめざし、この積層材を曲げ加工したときの変形挙動を調査しました。

★1E7A0800.jpg ★1E7A0374.jpg

受賞を受け、内藤さんは「ご指導くださった高坂先生、実験装置の使用にご協力くださった京都工芸繊維大学の大谷 章夫准教授に、この場をお借りして感謝申し上げます。この研究は、高坂先生に機会をもらって、私が始めた研究です。修士課程では、研究に費やせる時間が今以上に増えると思うので、ロール成型が可能なCFRTP積層材の開発という最終目標に向けて、さらに進めていきたいです」と語りました。

堀内 涼平さん(システム工学群 4年・高知県立高知西高等学校出身)
指導教員:航空エンジン超音速流研究室 荻野 要介講師
発表テーマ「大気圏突入カプセル模型の衝撃層プラズマ発光分光計測」

大気圏に突入するカプセルは、形成される衝撃波で超高温に加熱されます。堀内さんは、衝撃層内のプラズマ発光による輻射加熱を予測するため、大気圏突入環境を再現した1MWアーク加熱風洞で、はやぶさと同概形のカプセル模型と気流に対して垂直に分光を可能とする光学系を用いて、カプセル前背面の分光計測とその解析を行いました。その結果、理論予測よりも背面の発光強度が高く、発光化学種の変化も少ないことから、緩やかな再結合反応が背面異常加熱の原因となっている可能性を示唆しました。

今後さらに数値計算との比較検証を繰り返すことで、加熱率の予測を正確に行えるようになれば、熱防護材のコスト削減・安全性向上につながります。

★1E7A0808.jpg ★1E7A0338.jpg

受賞を受け、堀内さんは「熱心にご指導くださった荻野先生はもちろんのこと、浅井 友彰さん、橋爪 見奈さん、安田 裕貴くんをはじめとする、助言をくれた研究室のメンバーにも感謝しています。また、1MWアーク加熱風洞を使用させていただいたJAXAの吉田 哲生 様と坂本 奨悟 様、供試体を製作していただいた坂本技研 山本 健児 様、光学系の理論や構造を教えてくださった鳥取大学の葛山 浩 教授にも深く感謝を申し上げます。4月からは、機械設計の職に就きます。この研究室での学びである『とにかく真剣に悩む時間をたくさんとること』を胸に、粘り強く頑張っていきたいです」と語りました。

RELATED POST

関連記事