2024.4.25地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

「里山工学」のひとつが集大成 -金峯神社 本殿遷座祭-

4月20日、香美キャンパスのほど近くに位置する土佐山田町佐岡中後入にある金峯神社にて本殿遷座祭が執り行われました。

この佐岡地区を実証フィールドにすすめられる「里山工学」の一環として取り組んできた同神社の再建が、8年掛かりで集大成を迎えたものです。

中後入の氏神さまとして200年以上にわたり地域の生活に根付く金峯神社でしたが、少子高齢化・過疎化により社殿が老朽化し、崩壊の危機に瀕していました。
そこで、環境建築デザイン研究室(渡辺 菊眞 准教授)は2016年に、神社の麓に仮の社殿を設計・建設、御神体を一時遷座して仮拝殿とするとともに、本殿を保管する建屋を境内に建立してもとの社殿を取り壊しました。その後の境内での御神木の倒木や斜面崩壊もあって、再建がしばらく見送られていましたが、今年の2月に、修士1年の学生たちが渡辺研究室と連携して綿密な計画をたて、土砂で埋もれた境内を整地し、林業用のウインチ2台と人力を使って無事、もとの社殿があった場所への本殿移設を成功させました。

そして今回、ようやく御神体の遷座に至りました。

本殿は森に残し、拝殿は人が参拝しやすい里に下ろす"分割造替"というこの再建を機に、高齢で参拝できなくなっていた旧氏子も参加しての秋の例祭が10数年ぶりに復活するなどしています。
日本の過疎地域の課題に向き合ったこの再建は、数々の建築賞に輝いています(「金嶺神社に関する記事」を参照)。

また、今回の遷座祭に至るまでにも、本殿と仮拝殿を結ぶ滑りやすい里道への階段設置など、本学から多くの研究者・学生らが金峯神社再建に携わっており、「里山工学」の理念が実践されたものとなりました。

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(麓に設けられた仮拝殿)

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(再建された本殿)

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(遷座祭後の「餅投げ」の様子)
   
  

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