2018.7.12イベント / 地域・一般 / 地域貢献 / 研究者・企業

「イブニングセミナー2018」第2回を開催しました

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7月11日、本学の地域・文化交流施設「Cross Square(クロススクエア)」において、地域連携機構主催の、地域課題に関する研究発表を通じ参加者と議論する「イブニングセミナー2018」を開催しました。

第2回は「これからの地域交通」をテーマに、西内 裕晶 講師(システム工学群/都市・交通計画研究室)が、人口減少と高齢化が加速するわが国、特に高知県など地方都市における、社会基盤や交通の将来のあるべき姿について発表しました。

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まずは、30年後を見据えた、人口減少・高齢化と、経済成長の行方、将来の道路維持管理費の負担増などの課題を示し、現状の社会基盤整備計画の妥当性などの問題を提起しました。
次に、それら課題を踏まえた自身の最近の研究成果を紹介しました。
まず第1に「都市と機能のサイズダウン」にいて、大都会から途絶された高知県は、戦略的な撤退によるサイズダウンにより、明るい未来を築ける可能性があるとの構想を紹介し、第2に「都市インフラ投資の選択と集中」について、香美市の協力を得、学生が市内の林道調査と人口分布などのデータ解析を終え、林道の少しの延長と整備で災害時に住民の孤立が防げることなどの実験データが示され、第3に「人・モノの移動の流れをモニタリング」について、それら施策を実施するため、車の通行量などを、カーナビの発するMACアドレスで把握した実験結果と、学生が土佐清水市や田野町などで、アンケートにより、公共交通利用者のニーズや、ICT技術による利用ツールをスマホやタブレットなどで利用するかなどの意識調査を実施し、自治体の想定と住民のニーズの食い違いや、地域ごとにICT活用に対する意識に違いがあることなど、最近の研究成果を紹介しました。

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会場は、地域の方々や市役所職員、会社帰りの方、高校生等約30人が参加し、質疑応答では「人口が激減する中で、南海トラフ地震の事を考えると、将来の都市や道路の整備は難しいのでは」や「林道整備には法的な規制等があり難しいのでは」等の質問が飛び交い、また「データを取る際、高齢者を65歳以上と定義するのは改めた方がいいのでは」などの意見をいただくなど、活発に議論が交わされ有意義な催しとなりました。

参加した有限会社香北観光 代表取締役 山中 盛世さんは「弊社では、香美市の交通課題に真摯に取り組んでいますが、バスの乗務員不足が障壁となっている。講師から、課題解決には、事業計画に目的と役割分担を明記し、事業を遂行することが重要とのお話しを聞き、大変勉強になりました。香美市にもご協力いただき実現したいと思います」と賞賛いただき、

また、本学システム工学群4年の 古川 英秀くんは「地域のいろんな世代の方々が、その地域の課題について話し合っていて、いい場だなと思いました」と感想を話してくれました。

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本セミナーは本年度5回開催予定で、3回目以降の日程及びテーマは次の通りです。

9月12日(水)地域における建築文化(同学群 渡辺 菊眞 准教授

11月21日(水)景観デザイン(同学群 重山 陽一郎 教授

1月16日(水)里山プロジェクト(同学群 高木 方隆 教授

  5月16日 「防災とBCP」 終了しました。

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