2021.12.21地域・一般 / 地域貢献 / 研究 / 研究者・企業

フューチャー・デザイン研究所が「高知県フューチャー・デザイン2050」の成果を発表

12月15日、高知県庁にて、フューチャー・デザイン研究所と一般社団法人しあわせ推進会議は、「高知県フューチャー・デザイン2050」の成果発表を行いました。フューチャー・デザイン研究所からは、西條 辰義特任教授中川 善典教授井上 裕香子助教が出席しました。

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(左から、西條特任教授、中川教授、井上助教)

高知工科大学フューチャー・デザイン研究所では、将来世代の声を現世代の意思決定に反映させるためのフューチャー・デザイン※の⽅法論を開発し、多くの⾃治体の⻑期計画の策定を支援してきました。現世代を生きる私たちが、数十年後の未来人になりきり、その社会を具体的に想像する「仮想将来人」という思考枠組みを活用します。

フューチャー・デザイン研究所は、一般社団法人しあわせ推進会議が策定する高知県の将来ビジョン「高知県フューチャー・デザイン2050」作成のため、2021年2月~7月まで約半年間かけて、全6回のワークショップを協同で実施してきました。ワークショップを通じて、南海トラフ地震が発生した後であってもなお、人々がしあわせに暮らす高知県の将来像を策定するという挑戦的な課題に取り組んできました。その中で、想定される被害から目を背けない悲観性と、それでも希望を持ち続ける楽観性とを兼ね備えた将来像を描くことが可能であることが確かめられました。これは現代に軸足を置き、南海トラフ地震発生を考えるとたどり着けない発想であり、フューチャー・デザインの考え方の独自性・特色が発揮されている事例となります。

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本成果発表の中では、フューチャー・デザインの考え方や、今まで行ってきたワークショップの流れを説明したうえで、7つの班がそれぞれの各テーマで描いた2050年の高知の様子を紹介しました。そのなかでは、情報通信網の普及や南海トラフ地震発生後の高台移転、持続可能な社会が実現している2050年の高知県の様子が解説されました。

最後に西條特任教授からは「本成果発表の内容が、各市町村の実践政策へ反映されることを望みます」、中川教授からは「このフューチャー・デザインの考え方・本成果報告書の内容は、行政のみに応用できるものではなく、民間企業でも使えるアイデアがたくさんあります。ぜひ多くの方にご活用いただきたいです」という言葉があり、高知県の未来に向けての発言で本発表会を締めくくりました。

※フューチャー・デザインとは、現世代だけでなく将来世代の利益も反映させた意思決定により、持続可能な社会をデザインする考え方です。

発表した成果内容はこちらからご覧いただけます。

西條特任教授の最先端研究はこちらからご覧いただけます。
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