2021.3.26在学生・保護者 / 地域・一般 / 学生生活 / 学群・大学院 / 研究

学生4名が電気学会・電子情報通信学会・情報処理学会 四国支部奨励賞を受賞

本学学生4名が「電気学会・電子情報通信学会・情報処理学会 四国支部奨励賞」を受賞しました。
本賞は、電気学会・電子情報通信学会・情報処理学会の四国支部が合同で、四国内の大学・高等専門学校の特に優秀な学生に対し贈呈する賞です。

受賞者

大学院修士課程 電子・光システム工学コース 2年 上山 峻央さん
修了研究題目「光コヒーレント伝送におけるニューラルネットワークを用いた非線形劣化補償」
上山さんは、光制御・ネットワーク研究室(岩下 克教授)に所属し、超大容量光ネットワークや、ファイバーセンシングを含む非侵襲かつ精密な光計測技術の研究をしてきました。
近年、インターネットの通信容量が爆発的に増加し、大容量光ネットワークが必要とされています。しかし、波長多重や高速化により光ファイバの入力光電力が増大し、受信信号の非線形劣化が問題となっています。解決策のひとつとして、計算量の少ないニューラルネットワークによる補償方法が提案されていますが、位相雑音存在下でニューラルネットワークの学習を行う場合に問題がありました。
本研究では、ニューラルネットワークにおいて、位相雑音に対応しながら、非線形劣化を学習していくための新たな学習手法を提案しました。その結果、長距離伝送における学習と補償も可能となり、新たな非線形劣化補償方法として有効であることを示しました。本研究の進展により、長距離光ファイバにおける大容量化の一助となることが期待できます。

受賞を受けて「光通信の専門知識をご教示、ご指導くださった岩下教授をはじめ、研究室のメンバーに心より感謝申し上げます。ニューラルネットワークという最新の研究に携わることができ、充実した学生生活をおくることができました。研究で培った経験を生かし、通信業界でより一層邁進していく所存です」と感謝と抱負を語りました。
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大学院修士課程 情報学コース 2年 早川 晋矢さん
修了研究題目「深層学習における傷付きプリント配線板画像の2値化」
早川さんは、画像情報工学研究室(栗原 徹准教授)に所属し、画像を中心とした様々なセンサ情報の理解とその実社会への応用を研究してきました。
現在、携帯電話等に使われている基板は、厚さ10㎛の配線板が40層重なった物が実用化されています。特許侵害検査等を目的に基板を解析する際、1層毎に除膜・撮影・回路抽出を行う必要がありますが、除膜後の画像には傷や汚れが多数あることから、2値化への効率化が課題となっていました。
本研究では、Unet構造を参考に2値画像を自動生成するネットワークを深層学習にて構築する手法を開発し、自身が以前に開発した手法よりも高い確率で傷や汚れを除去する能力を有していることを明らかにしました。

受賞を受けて「研究活動を支えてくださった栗原准教授をはじめ、研究室のメンバーに心より感謝申し上げます。未来の研究について熱く語る栗原准教授に魅力を感じ画像処理情報工学研究室への配属を希望しました。研究室では、初めてAI技術を導入した研究に挑戦し、未知のタスクへのアプローチやできないで終わらせず考え続けることにより、技術の幅が広がるとともに、自身の世界観も幅広くなりました。社会に出ても研究で培った経験を生かしてAIエンジニアとして様々なことに挑戦してまいります」と感謝と抱負を語りました。
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システム工学群 4年 武田 響介さん
卒業研究題目「光触媒応用に向けたMist CVD法による酸化チタン薄膜の合成と特性評価」
武田さんは、光・エネルギー研究室(李 朝陽教授)に所属し、光触媒応用に向けた酸化チタン薄膜の合成に関する研究を行ってきました。酸化チタン合成の代表的な方法の一つであるMist CVD法では、純粋なアナターゼ型酸化チタンが合成できることが分かっています。本研究では、異なる5つの基板上での純粋な酸化チタン薄膜の合成と、800℃以上で熱処理を行った時の熱安定性の向上を目指しました。
その結果「異なる基板上でのアナターゼ型酸化チタンの合成」と「熱安定性の向上」の2つの目標を達成することができました。さらに研究を進め、抗菌・抗ウイルス性能が確認できれば、実用化の可能性が期待できます。

受賞を受けて「これまでの研究成果が評価され大変嬉しく思います。研究を進めるうえで多くの助けをいただいた李教授、研究室で共に支えあったメンバーに感謝し、社会人になっても新たなことにチャレンジし、日々学び続けていきます」と喜びと抱負を語りました。
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情報学群 4年 松本 康太郎さん
卒業研究題目「不揮発性メモリを⽤いたJavaオブジェクト永続化のオーバヘッドの調査」
松本さんは、ソフトウェア検証・解析学研究室(高田 喜朗准教授)に所属し、電源が失われてもデータが保持される不揮発性メモリを使い、先行研究で提案されたプログラミングモデルを実現するための基礎的な研究を行いました。
本研究では、Javaプログラムの実行環境を提供するOpenJDKに不揮発性メモリへのアクセスを伴う処理を実装し、不揮発性メモリの実機を用いて実行時間を計測しました。更に、同一キャッシュラインへのアクセスが多いプログラムでは実行時間が遅くなる傾向があることを示しました。

受賞を受けて「本研究を推進できたのは、高田准教授、鵜川 始陽准教授(2020年より東京大学大学院情報理工学系研究科)のご指導と研究室メンバーの支えがあったお陰です。大学院でも本研究を継続して行い、次の段階であるオブジェクトを選択的に永続化する処理の実装に取り組んでまいります」と喜びと抱負を語りました。
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