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山本 哲也教授らの研究グループが「光の要らない抗菌材料 & 無加熱酸化」をテーマにnano tech 2022に出展しました

2021年11月26日~2022年2月28日の間、東京ビッグサイトとオンラインのハイブリッド形式で開催された「nano tech 2022 第21回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」に、本学の山本 哲也教授(総合研究所)、牧野 久雄教授(システム工学群)、篠森 敬三教授(情報学群)が、共同研究成果を出展しました。

本展示会では「新しい社会変革を牽引するナノテクロジー」をテーマに、Society5.0の実現に貢献する科学技術・イノベーションについて「材料・素材 : ナノマテリアルゾーン」「分析・計測・評価 : ナノアナリティクスゾーン」など5つの分野で最新の研究成果約150件が公開されました。

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山本教授らは「光の要らない抗菌材料 & 無加熱酸化」をテーマに、光などエネルギー負荷を必要としない抗菌材料の研究成果と半導体やセラミックスの特性制御を可能とさせる酸素負イオン生成・照射技術を紹介しました。

金属酸化物の抗菌機能とは、この物質が生成する活性化酸素により、菌の細胞膜を破壊するというものです。従来から抗菌機能が見出されている亜鉛の酸化物である酸化亜鉛を薄膜形態とすることで、光などエネルギー負荷を必要とせず、活性化酸素生成効果を増大させたことが、光の要らない抗菌材料生成の成功因子です。

酸素は負(マイナス)電荷をもつ電子を引きつけ、負イオン化することで反応性が高まる特徴をもっています。酸素負イオンを生成し、半導体やセラミックスへ照射することで、設計的に特性を自在に制御する装置を産学連携で事業化しました。これにより、金属に温度を負荷せず酸化する国内外初めての現象を確認することに成功しました。その結果、多様な色を呈する金属酸化物層が実現し、その色の度合いの定量化を篠森教授との異分野融合研究で実施し、色の出現機構に関しては牧野教授との共同研究より達成しました。

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展示会では、民間企業(国外企業も含む)、行政機関及び研究機関などから詳細な資料請求が157件(統計提供者:主催者本部)あり、今後の課題や展望などに関して相互に有益な議論や情報交換を行いました。技術の実装が現実となることで潜在事業が顕在事業化するきっかけとなるのはもちろんのこと、展示会で得られた反響は研究フェーズを多様化させる機会となりました。

今後も、本学は基本理念である「世界の未来に貢献できる研究成果の創出」の具現化をめざし、産学官民のさらなる連携を推進してまいります。

山本 哲也教授の最先端研究「原子の並びの『見える化』に世界で初めて成功 成膜技術の新境地を切り開く」はこちらから

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