• システム工学群

株式会社オサシ・テクノス

Okawauchi Masaki 大川内 正樹さん

自然災害から人命や社会を守る防災計測機器メーカーで自社製品の開発をしています。

株式会社オサシ・テクノス

(工学部電子・光システム工学科2003年卒業)

 高校3年生で進路に迷っていた時、担任の先生から紹介されたのが、できて間もない高知工科大学。高校の授業でもパソコンには興味をもっていたので、「技術系の大学面白そうだな」という軽い気持ちで大学見学に行き、広くて綺麗なキャンパスをみて、受験を決めました。

 研究室ではデジタル回路設計に取り組みました。就職が決まった4月から、矢野 政顕教授(2010年退職)の研究室に移らせていただいて、卒業研究に取り組みました。ディスクリート構成によるロジック回路と、VHDLで記述した回路をFPGAに実装した構成の2通りで、同じ機能をもつ電子回路を製作し、回路面積や柔軟性、消費電流の違いを比較。デジタル回路技術の優位性を体感しました。もっとも、当社計測器はマイコン制御による超低消費電力設計が主流で、FPGAやCPLDを活用する機会はありませんでした(笑)。

 就職活動時を振り返ると、3年次に卒業単位も取り終えて、当初は4年次に休学してバイトで資金を貯めて進学を考えていたのですが、諸事情で3年の3月から急遽就職活動に切り替えました。焦ってソフト系の会社を何社も受けていましたが、そんな私を先生方が気にかけてくださって、ソフト系以外の企業をいろいろ紹介していただき、めぐり会えたのが、防災計測機器メーカーである今の会社です。大学教授が学生一人ひとりに親身になって相談にのってくれる関係性こそが、高知工科大学の魅力のひとつだと思っています。

 防災計測機器メーカーでの業務は非常に多岐にわたります。入社以来、Windowsソフトウェア開発、組み込みファームウェア開発、無線関連の製品開発、海外システム案件の導入など、幅広い業務を経験してきました。また、社内のIT環境整備など情報システム系の業務にも長年関わっています。専攻していた電子・光システム工学科の分野は、様々な技術領域に関わる機会が多く、当時から通信技術にも興味をもっていたので、ネットワークや通信に関わる業務にもスムーズに取り組むことができました。

 近年、台風やゲリラ豪雨、線状降水帯による冠水や河川氾濫、大規模な土砂災害など、甚大な被害をもたらす自然災害が増えています。そうした被害を少しでも抑えるために、水位変動や地表・地中の変位を計測・可視化し、警報で危険を知らせるシステムをトータルで提供しています。

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(消防防災科学技術賞を受賞)

 これまで、様々な製品開発に携わってきました。スリランカへの防災システムの導入では、現地に赴き、遠隔通信の確立・機器の設置・サーバーおよびシステムの導入まで携わりました。また、災害現場でレスキュー隊が救助活動を行う際の二次災害を防ぐため、隊員自身が簡単に扱える計測器が欲しいとの要望に応え、レスキュー隊と共同開発し、「消防防災科学技術賞」を受賞しました。

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(スリランカにて)

 現在は開発全体のマネジメントが主になっています。ここ数年は、技術系の人材確保のため、高知工科大学にも足を運び、インターンシップも受け入れています。私自身もお世話になった大学で、今度は後輩たちのキャリア選択を応援する立場になったことに、不思議なご縁を感じます。

みんな元気ですか?私も頑張ってます

 車に乗りだしてからはアウトドア派で、休日も家にこもりきりが嫌な性分になってしまって。夏は川遊びやBBQ、冬は雪遊び、と季節が感じられる遊びが好きですね。現在は、8歳と1歳半の子どもがいるので、休日はほとんど家族行動です。私も妻もどこか遠くへ行きたいと思うことが増え、長期休みには家族旅行によく出かけるようになりましたね。直近1年でハウステンボス、USJ、厳島神社へ行きました。
 まだ下の子が小さく、できることは限られますが、2月には天狗高原で雪遊びもしてきました。

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2025年3月 取材