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株式会社風憬社

UMEBARA Yuji・YAMASAKI Madoka梅原 佑司さん・山﨑 円さん

1+1が2以上の力になる、それぞれ個人の建築設計事務所から1つの法人へ。
株式会社風憬社 代表取締役 梅原 佑司さん
(工学部 社会システム工学科 2002年卒業/大学院社会システム工学コース 2004年修了)

株式会社風憬社 取締役 山﨑 円さん
(工学部 社会システム工学科 2003年卒業/大学院社会システム工学コース 2005年修了)

お二人とも地元高知で建築を学びたいという思いで高知工科大学へ入学。学内外で様々な影響や刺激を受けながら建築設計技術を習得し、大学院を修了後は紆余曲折を経てそれぞれ個人で建築設計事務所を開業するという夢を叶えました。 2019年5月にお二人で株式会社風憬社を設立し、法人として新たなスタートを切られています。お二人に在学当時のことや法人設立に至った考え、今後の夢について伺いました。

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■ 吉田研究室の先輩後輩、お互いの印象は意外に...。

山﨑 
大学の研究室で、新潟県に建築する美術館のコンペに提出しようと作品をチームに分かれて作った時、私の友人が梅原さんのチームに入っていて、ひたすら作品で使用するアクリル板を切らされている姿を見て、かなり厳しい人だと。要警戒な感じでした。

梅原
僕は人見知りで内に閉じこもりがちな性格なんですが、彼女は『人の家に土足で入ってくる』感じでしたね(笑)。いいように言うと人当たりがよくて、コミュニケーション力があるということですよね。

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■ 海外旅行に先生と3人で。

山﨑 
大学院生になると、吉田先生が海外に連れ出してくれるんですが、私の代では、希望したのは私だけ。で、1年早めて梅原さんと先生の三人旅になりました。

梅原
ドイツ・スイス・オーストリア・フランスとヨーロッパを約2週間旅しました。歴史的な建造物や街並みを実際に見ることができて、とても勉強になりました。

山﨑
写真も建物ばかり撮っていて、自分たちの写真は全く残っていないほどです。

■ 個人事務所を開業してからは仕事の相談をしばしば。

山﨑 
独立してから仕事の相談をさせてもらうことが増えました。独立してからの仕事の技術的な相談って、同業者にはしづらいんです。そこは大学の先輩という関係が頼りになりました。

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梅原
あるプロジェクトの提案に際して、自分の事務所だけではマンパワーが足りないということがあって、山﨑さんと一緒に仕事をする機会があったんです。その打ち上げの飲み会で個人事務所のまま続けることのデメリットなどを話し合って、同じような考えであることを知りました。

■ 法人化して得た数々の利点とは。

山﨑 
個人事務所の時は気づかなかったんですが、法人であることが顧客に安心感を与えるということを実際に感じることはありますね。

梅原
高知の建築設計事務所では我々と同じ若い年齢層が少ないんです。次世代の我々がもっとしっかりしていかないとという思いもあって、法人化の道を選びました。

山﨑
何より私は、何かあった時に相談できる存在がいるという心強さが大きいですね。

梅原
建築に関する考え方、いいなと思う感覚が一緒だから、うまくやっていけるのでしょうね。

■ 今でも大学の先生方とのつながりを大切に。

山﨑 
吉田研究室がとてもいい雰囲気でしたし、その雰囲気は先生が作ってくださっていたんだなと思います。本人のやる気次第でどんどん成長できるような指導をしていただきました。今も仕事でのつながりがあり、吉田先生には本当にお世話になっています。

梅原
今まさに母校である高知工科大学と共同で仕事に取り組んでいまして、ランドスケープを重山先生(重山 陽一郎教授)の研究室にお願いしたりしています。やる気みなぎる学生を見ているとこちらも刺激になりますね。私たちも法人化を機に可能性をより大きく広げながら、会社名に標榜したように、「風憬社」として街の風景として残っていくような建築物を造っていきたいと考えています。

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(大学に隣接する鏡野公園にある、鏡野公園バス停。吉田研究室と一緒に設計しました。2013年に完成。)

From professor

法人化で活躍する場を大きく広げ、さらなる成長を期待

システム工学群 吉田 晋 准教授

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研究室配属前の2年生の時から梅原さんは自主的に住宅の模型を作っていたのですが、抜群の才能を示していましたね。また、山﨑さんは当時から明るくて場の雰囲気を和ませていました。
梅原さんは卒業後東京の設計事務所で働いていましたが、高知に戻ってくるタイミングで声をかけ、大学の武道場の設計を一緒にやったのが共同作業の最初です。山﨑さんは業界内の情報に詳しく、その卓越したコミュニケーション能力を発揮していますね。
法人化したことで公共の建築などチャレンジできる幅が広がってきたと思います。高知により良い建築を残していけるよう、一緒に頑張っていきましょう。

2019年11月 取材