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アンリツ株式会社

SAKO Minako左古 美波子さん

人一倍の努力を重ね、理転の壁を乗り越えた思い出が今も私の原動力
アンリツ株式会社勤務 左古 美波子さん
(工学部 電子・光システム工学科 2003年卒業/大学院 電子・光システム工学コース 2005年修了)

次世代移動通信や光通信に関連した測定器など通信用計測事業を主力としたアンリツ株式会社に2005年に入社。光ファイバーの伝送損失や距離測定、断線箇所の検出などを測定する光パルス試験器(OTDR) や有線系のトランスポート・データ通信関連測定器のハード・FPGA設計に携わり、昨年からは5Gシステム開発用テスタのFPGA設計を担当しています。
元々は光通信に興味があってこの会社を選びましたが、いつの間にかデジタル信号処理に興味が移り、専門になりました。5Gという最先端技術に携われるというのは技術者として幸運だと思う反面、未知の部分も多く、時には戸惑うことも。
そんな時でも「頑張ればなんとかなる」という思いが私を支えてくれています。そして、その思いを育ててくれたのが大学時代の様々な体験です。

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当時、高知工科大学は新設校で、新聞に何かと取り上げられ話題になっていました。時を同じくして就職氷河期で学生の就職難が取り沙汰されていたので、理系が就職に有利と判断し、文系だった私は高校3年生時点で思い切って理転、高知工科大学に入学しました。
綺麗な学舎で、新しいことに何か挑戦できそうな期待を抱いていましたが、残念ながらキャンパスライフを楽しむどころではない状況が待ち構えていたのです。

文系だったので、周囲の学生が高校で学習済みの数学や物理の基礎が身についておらず、1年生の基礎共通科目から落ちこぼれ、追いつくためにひたすら勉強の日々を過ごすことになりました。先生方の研究室前にあるコモンスペースで勉強していると、誰かしら通りすがりの先生が声をかけてくれるので片っ端から質問責めにしたり、友人に教えてもらったりとみんなに支えられながら少しずつ理系分野の理解を深め、ついには成績優秀者に選ばれるまでになれました。一人暮らしの寮の部屋で不安に苛まれ枕を濡らす夜もありましたが...(笑)。

「頑張ればなんとかなる」、入学当初の絶望感から何とか這い上がれた時期に実感として思ったのがこの言葉。今も困難なことに直面した時には思い出し、その頃の自分から勇気をもらっています。
周囲に追いつこうと、無我夢中で勉強したことが功を奏したのか、3年間で学士課程を卒業(早期卒業)し、大学院へ進学。野中 弘二教授の指導のもと、大学で興味を持つようになった光通信に関する研究に取り組みました。
大学院への進学に際しては、就職指導を担当されていた河津 哲教授も含め、いろいろ相談に乗っていただきました。就職は、研究内容を生かすことができる光通信に関連した企業をめざし、第一志望の現在の会社に入社できたのも、親身になって熱心にご指導いただき励ましてくださった先生方のおかげだと感謝しています。

Memory of My Campus Life

パソコン要約筆記サークルを仲間と立ち上げました。

ちょうど高知県で国体が開催されるというタイミングもあって、野中先生の発案で創部したサークル。聴覚に障がいを持たれている方々へのボランティアとして、会場に映し出される映像にテロップで文字情報を打ち出すという活動をしていました。スピーチなどではあらかじめ原稿をいただいておくのですが、突然アドリブなどを入れられる方もいて、そんな時は大慌てしたのも懐かしい思い出です。

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最近はどうですか?

アウトドア派の夫に付き合って外出することもありますが、基本的には私はインドア派。キラキラ光るものが好きなので、写真のような石を眺めて楽しんでいます。産地や組成、不純物によって見た目も様々に異なり、見飽きることがありません。

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2019年7月 取材