• 情報学群

株式会社JKB

HIRAI Keiichiro平井 圭一郎さん

「一緒に研究しましょう」から始まった大学生活
株式会社JKB代表取締役社長 平井 圭一郎さん
(工学部 情報システム工学科 2003年卒業)

大学進学への意義を見いだせず、人生についての漠然とした不安を抱えていた自分は、進学校に通いながらバンドを組んで音楽活動に没頭するような高校生活を送っていました。そんなある日、自宅に届いた高知工科大学の大学案内。実は父が取り寄せたのですが、それがきっかけでオープンキャンパスに参加しようと高知に向かいました。暮らしている東京とはかけ離れた別世界のような環境に、今までの閉塞感が払拭され、自分をリセットして新しくスタートしようと思ったんです。
オープンキャンパスの研究紹介のブースで先生方から「"一緒に"研究しましょう」と声をかけていただいたことに感動、入学への大きな引き金になりました。

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全国から集まってきた仲間たちは、それぞれ考え方や価値観が全く違っていました。彼らと親しく接することで自分の世界が大きく開け、本音で語り合える一生の友を得ることができました。何らかの問題や悩みを抱えた時でも、太平洋の水平線を眺めているうちに心が晴れることも多く、自分自身の価値観や人生観を、見つめ直し、しっかり固めることができた4年間でした。2、3年次はほとんど単位を取得できず卒業も危ぶまれましたが、4年次で起死回生の猛勉強のすえ、無事卒業。株式会社テレビ朝日クリエイトに就職し、TV番組のCG画像制作に関わるCGエンジニアとして3年間ほど勤務していました。大学で学んだネットワーク構築実験の経験を現場で生かしつつ、社会人としての経験を積めた貴重な経験でした。

2006年、父の会社を継いだ当初は、未経験の製造業ということもあり、戸惑いもありましたが、専門の情報分野の知識を生かしH.Pの制作などから取り掛かり、独自の工場の品質管理システムを設計構築し特許を取得するなど、様々な新しい発想で、常に進化し続ける会社をめざして取り組んでいます。
学生時代は、研究や就職活動そして遊びまでも「常識」や「普通」に囚われすぎず、思いついたことを「実践」することが大切です。そしてそれができる環境が高知工科大学には整っていると思います。

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Memory of My Campus Life

破格の安値で手に入れた愛車で、各地をドライブしていました。2、3年次は特に、ドライブに夢中でしたねえ。アルバイトは、大学からほど近い土佐山田のゴルフ場のレストランでウェイターをしていました。実は、一人暮らしで唯一困っていたのが料理。全くの苦手でしたが、救いの神はいるもので、そのアルバイト先で栄養士と調理師の免許を持っている女性と知り合えたことは神様のイタズラだったと思います(卒業後に結婚)。

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最近はどうですか?

不可能と思った瞬間それは不可能に。
可能と信じて取り組み不可能を可能に。

1951年の創業以来、金属プレス加工業(金属部品製造業)として、常に新しいことに挑戦し続け、革新的な製造方法によるモノ作りに取り組んでいます。最新鋭のハードとソフトによって、従来では不可能であった形状や精度のプレス加工を日本で初めて実現。また、その技術開発を支える世界最高水準の工作機械を揃え、IT化による独自の生産性向上支援システムと品質管理システムにより高生産性・高品質を誇っています。経済産業省の「元気なモノ作り中小企業300社」や「IT経営実践企業」にも選定されています。
詳細は、http://www.jkb-net.co.jp

オフセットフィン:従来のプレス加工法では成形不可能だった形状の製品化を実現。日本で初めて製品化と量産化に成功しました。

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フィルター:121個の直径0.5mmの穴を1円硬貨の6分の1の範囲内に高精度にプレス加工することに成功。従来の加工法から10分の1の低コスト化を実現。

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2019年7月 取材