• 大学院
  • 理工学群
  • 修士課程 化学コース
  • 1年
  • 機能性ナノマテリアル研究室

大宮 歩実 さん×大谷 政孝 准教授

物質を作り続けることで法則性を見出し、機能性ナノ材料の創出をめざす。

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大宮さんのお兄さんも私の教え子で、学群生時代から大学院まで私の研究室に所属していたのでよく知っています。進学するに当たって、お兄さんの存在は大きかったですか?

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そうですね。化学系の勉強がしたかったのと、「近くに兄がいる方が安心」と母親に言われたことが高知工科大学を選ぶきっかけになりました。実際に初めての一人暮らしで、近くに頼れる人がいる安心感は大きかったです。

大谷准教授
大宮さんは研究室早期配属制度を利用し、2年次から研究室に所属。1学年上の先輩たちと一緒に研究に取り組んだわけですが、最初からスムーズに馴染めていたように思います。

大宮さん
研究室の雰囲気は兄から聞いていましたし、実際に学群の先輩や院生の方々も皆さん優しく、楽しみながら日々の実験に取り組むことができました。

大谷准教授
研究室では新しい機能性ナノ材料の創出を目標に、「実験で物質を作り、電子顕微鏡で評価する」という作業を繰り返します。大宮さんは、二酸化炭素吸着能が高いとされるジルコム系金属有機複合体(MOF)のナノメートルスケールでの構造制御と物性評価をテーマに研究に取り組みましたね。

大宮さん
先生の研究室では、とにかく数をたくさん作ります。約1週間かけて物質を生成し、望んでいた通りの物質ができたときは最高にうれしいですけど、想定外のものができても「なぜそうなったのか?」を考えるのが楽しいです。

大谷准教授
数を作っていると、時に「常識的には考えにくい物質」も出てきて、そうしたものを作り出すとともに、その法則性を見出すのが研究の醍醐味でもあります。

大宮さん
おっしゃるように、ひとつ作って終わりではなく、その作業を2カ月、3カ月と続け、全体として考察したときに見えてくることがあります。そうした発見があったときはやっぱり楽しいですね。

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実験を楽しんでいるのは見ていても伝わってきました。早期卒業するためには3年間で卒業に必要な単位を修得しないといけないので、特に卒業研究が始まる3年次は大変だっ たと思いますが、常に高いモチベーションをもって、意欲的に取り組めていたと思います。

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ご指摘の3年次春学期は、時間的な大変さはありましたが、自分の好きなことに取り組めていたので辛いといった気持ちはありませんでした。むしろ、実験でいい結果が出るとうれしくて元気が出る感じで(笑)。

大谷准教授
次のステップとして大学院に進学するわけですが、抱負などはありますか? 大宮 講義や実験のレベルも上がるので、学群生の頃と同様、研究へのモチベーションを高くもち、その中で実験のスキルなども向上させていければと思います。

大谷さん
修了後の進路などは考えているんですか? 大宮 実際に取り組んでみて、実験をするのがすごく好きということを再認識したので、何かしらの研究職に就けたらと考えています。

大谷准教授
目標を定めることで、今自分がすべきことが明確になります。今この瞬間にめざす何かがあるということが高いモチベーションにつながっていくので、大学院での研究を通じて、少しでも早く具体的な目標を見つけてください。

大宮さん
アドバイスありがとうございます。研究に、就職活動に、今後もいろいろとご指導よろしくお願いします。

機能性ナノマテリアル研究室とは...

様々な分子間相互作用・化学結合を駆使し、有機・無機・高分子材料の多様な組み合わせから成る新しい機能性ナノ材料の創出をめざします。特に、物理化学的な観点から化学反応速度・平衡状態を精密に制御することにより、既存の方法の常識にとらわれない新たな合成方法論を開拓します。

大宮さんは頑張った!

成績優秀者を対象とした「早期卒業制度」を利用すると3年間で学士課程を卒業して大学院に進学することができます。大宮さんは入学時より早期卒業をめざし、成績優秀者の評価を受け、2年次より研究室へ早期配属。通常より1年早く研究室に所属し、目標だった3年間での卒業を実現。今春から大学院でさらに研究を深めます。

掲載日:2024年2月/取材日:2022年3月