• システム工学群
  • システム工学群 航空宇宙工学専攻
  • 4年
  • 材料革新サスティナブルテクノロジー研究室

大橋 亮介さん×川原村 敏幸 教授

多分野を学ぶことで自らの可能性を広げたい。"未知の領域"に挑戦中!

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高校時代、大学で多くのことを学び成長するために熱心に指導してくださる先生が多く所属している大学に進学したいと考えていました。実は僕の父親が大学教授なんですが、「いい先生がたくさんいる大学を教えて」とたずねたところ、真っ先に挙がったのが高知工科大学だったんです。実際にホームページを見ると、元々興味のあった航空宇宙工学の専攻があり、「人が育つ大学」として教育に力を入れているところにも魅力を感じて、志望先を本学一本に絞りました。

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2年生の研究室配属の時には、航空宇宙工学の研究室も候補に挙がっていたよね。私たちは材料系なのでまったく畑違いの分野だけど、なぜ最終的にうちの研究室を選んだの?

大橋さん
2年生で決定した配属先を3年生になって変更することも可能ですよね。いろんな研究室を見て回る中で、やり直せるチャンスがあるなら未知の分野に飛び込んで挑戦してみるのもおもしろいんじゃないかと思ったんです。航空宇宙の勉強は続けながら研究では材料系に取り組み、両方の分野に精通することができればすごく可能性が広がるんじゃないかと。もうひとつ、川原村先生の研究室は学生が学会発表することに積極的なところに惹かれました。

川原村教授
チャレンジ精神で飛び込んできたけど、今では3年生(取材当時)ながら実験装置をメインで運用するほど研究に打ち込んでいるよね。

大橋さん
僕は「実験がやりたい」という思いが強かったんです。AIやデータサイエンスが注目を集めていますが、やっぱり手を動かして根本の成り立ちや原理を体感することがすごく大事なんじゃないかという思いがあって。現在は川原村先生が開発された機能性薄膜技術のミストCVD法を用いて、半導体材料の高品質化に向けた基礎的な土台を構築するための研究に取り組んでいます。やればやるほど研究の面白みが増してきているので、今後もこの研究を続けていきたいと思っています。

川原村教授
実際のところは大変なことも多かったんじゃない?

大橋さん
未知の分野を研究していくのは大変ですし、日々苦労は絶えません。でも研究室内はコミュニケーションが活発で先生に気軽に質問できますし、先輩も面倒見の良い方ばかりで皆さん丁寧に指導してくださいます。先生や先輩方との飲み会に参加するのもとても楽しいですね。

川原村教授
今は充実した大学生活を送っているけれど、入学当初はホームシックになったんだよね。どうやって乗り越えたの?

大橋さん
見知らぬ土地での一人暮らしと急激な環境の変化に気持ちがついていけなくて。毎日大学の周りを歩いて景色に慣れようと努めたり、休日は遠出して高知のいいところを探したり、健康相談室を利用したりもしました。当時はコロナ禍というのもあり、自分自身とじっくり向き合うことができたおかげで、このピンチを生かして勉強に全力を注ごうと気持ちを切り替えることができました。この苦境を乗り越えたことが今につながっていると感じます。

川原村教授
大橋くんは私の研究室の歴代メンバーの中でも相当優秀なんです。言われたことだけをやるのではなく自ら考えて創り上げる力があるんですよね。

大橋さん
そう言っていただけるとうれしいですね。卒業後は修士に進学して研究を継続し、学会で発表できるような研究成果をあげることが今の目標です。

川原村教授
その先の進路は考えていますか?

大橋さん
技術系の設計や研究職などの職種に就きたいと考えています。これまでに参加したインターンシップや研究室での活動を通して、多くの人たちとアイデアを出し合ってひとつのものをつくることが好きだと確信したんです。ただ言われたものをつくるのではなく、根本的な考え方を固めるところから携わっていきたいと思っています。

川原村教授
大橋くんはすでにいろんな角度から物事を考えることができるので、将来は希望の職種で十分活躍できるでしょう。これからも自分の限界を決めず、殻を破って上をめざしてほしいですし、そのためにもコツコツと研究を続けてほしいと思います。

材料革新サスティナブルテクノロジー研究室とは...

安全かつ低コストな機能性薄膜作成法として国内外での利用が拡大しているミストCVD法を軸として、ミストを利用した新機能膜・機能素子の開発、ミストの挙動解析と動力源の開発、ミストの挙動を生かした革新的な移動手段の開発など、「先見の明のある研究」をモットーに取り組んでいます。

大橋さんは頑張っています

社会勉強を目的として、2年次に本学主催のエンジニアリングキャンプと経済同友会による武田薬品工業株式会社でのインターンシップ、3年次の夏には本学で募集の情報を得て株式会社新来島どっくでのインターンシップなど多くの課外活動に参加してきました。いずれも自分の将来の方向性を決定づける得難い経験となっています。

掲載日:2024年6月/取材日:2024年3月