応用物理専攻(令和5年度入学生~)

物理学を応用・駆使し、物質や現象の本質に実験とシミュレーションで挑む

学ぶ意義

応用物理学は、力学・電磁気学・熱力学・量子力学・統計力学といった基礎物理学と、固体物理学・材料科学・社会物理学などを融合し応用することで、物質のミクロ構造からマクロな社会現象までを理解し説明する学問です。例えば、軽いけれどもとても強い、光を通すにもかかわらず電気も通すなど、かつては夢であった特性をもつ材料の創製が可能となるのです。また、複雑な事象の本質をシミュレーションにより理解し、さらには未知の現象を予測することができます。

将来の展開

本専攻では、自然科学の幅広い知識に基づいて応用物理の素養を身につけます。卒業研究を通じて、コンピュータシミュレーション・精密計測に基づいた数理解析や未来予測、物質(材料)の合成・機能付加・特性および構造の評価など様々なスキルを習得します。卒業生は、製造業を中心に企画開発部門、製造部門、技術営業部門等の様々な分野で活躍できます。大学院に進学すれば、深化した専門性と研究力を武器に、さらに先端的な研究開発に携わることもできます。

こんな講義があります

物性物理学

物性物理学は古典力学、電磁気学、統計力学等を基礎とし、結晶中での原子の周期性から導かれる格子振動を量子化したフォノンや電子のエネルギー分布より、物質がもつ比熱や抵抗率に代表される熱的および電気的性質の起源を理解します。また金属、半導体、絶縁体を構成する電子のエネルギー状態の違いから、電気的性質に及ぼす影響を学びます。

環境とシミュレーション

現代の科学研究や技術開発のあらゆる分野において「数値シミュレーション」は今や不可欠な要素技術です。捕食者と被捕食者が争いつつ共存する生態系のモデル、簡単な方程式から複雑な文様が生まれることにおける「チューリング・パターン」の数理、気象学のローレンツモデルにおけるカオス的挙動等、環境科学における諸現象を題材にとって、プログラミングの実習を通して数値シミュレーションを実践的に学びます。

こんな研究室があります

※専攻・副専攻に関わらず、学群内のすべての研究室を志望することができます。

材料組織制御学研究室 (藤田 武志教授)

革新的な新材料を世に出す

rikou01.jpg構造材料、機能材料を問わず、材料はミクロレベル、ナノレベルで組織が制御されています。組織制御と組織解析は車の両輪の関係であり、最先端の球面収差補正電子顕微鏡を駆使して機能発現メカニズムを原子レベルで明らかにしています。新物質の発見・創製には世界のエネルギー問題を解決できる可能性が秘められています。現在、ナノサイズの細孔がランダムにつながった「ナノ多孔質金属」や高性能な「水の電気分解触媒」について精力的に研究をし、組織制御を通じて革新的な機能性を示す新材料の創製をめざしています。

量子ビーム科学研究室 (百田 佐多生准教授)

微細なツールで幅広い研究対象に挑む。

rikou02.jpg量子ビームは光速に近い速さで運動している原子(核)や電子などの微細な粒子で、基礎科学から産業界に渡る幅広い分野で重要な役割を果たしています。量子ビームをツールとして使い、材料表面の「微細形状創出」・材料内部の「原子配列の乱れ」・ビームと「原子(核)との衝突現象」を解明しています。研究成果は、材料科学や原子核物理に貢献し、例えばナノテクノロジーの分野への応用が期待できます。量子ビームの一種である「放射線」測定技術を利用して、エネルギーや環境問題にも取り組んでいます。

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