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機能材料専攻
今、最も注目される科学技術、ナノテクノロジーの分野で、画期的な新素材の開発に挑む
学ぶ意義
鋼鉄よりも10倍強くてとても軽い材料、国立国会図書館の蔵書をすべて記録できる角砂糖サイズのメモリ、ガン細胞を数個程度の段階で検出する技術など、ナノテクノロジーは、これまでの常識を超えた「とんでもないモノ」を創り出す可能性を持っています。本専攻では、新しい文化・文明を生み出す原動力となり得る新素材やナノデバイスの研究開発・教育を推進します。
将来の展開
ナノサイズの世界を支配する科学法則とその応用を学び、ナノテクノロジーの領域で技術者、研究開発者として活躍できる資質を備えた人材となることをめざします。修了後の進路としては、金属、セラミックス、半導体、高分子などの素材産業や、電子情報産業などの関連分野の他、ナノ領域で新たな製品や技術の開発を進める機械系メーカー、バイオ・医療企業などがあげられます。
こんな講義があります
物性物理学
絶縁体から半導体、導体と超電導体、さまざまな物性を持つ「もの」の成り立ちについて、量子力学に基づいてどこまで理解できるか、そしてそれがどのような新しい物体の発明につながり得るかを探ります。
データサイエンスの基礎
自然界から経済社会まで我々の周囲に遍在する「でたらめさを持った量」をどのように扱い、それからどのような予言が可能かを探ります。古典的なガウス分布から確率過程の動力学、さらには複雑系に特徴的にみられる逆冪乗分布についても学びます。
材料の物性
人類にとって有用な性質を持つ物質であっても、それを使いこなすには組成制御、構造制御、組織制御などさまざまな「工夫」が必要です。それによって、人類は物質を材料として活用することができます。「材料科学」(materials science)は、その「工夫」を研究する学問です。
材料プロセス
材料プロセスとは、自然から資源を取り出し、人間社会に役立つ材料をつくりあげる過程、およびその工学的技術のことをいいます。これらの技術の原理を熱力学・化学・材料科学の基礎に立って理解し、実際の技術を学ぶとともに、材料プロセスが環境に与える影響(環境負荷)を考えます。
研究テーマの一例
今までにない形状の断面を持つカーボンナノチューブの創製
水谷 加奈子さん
<4年>
三重県立宇治山田
高等学校出身
所属する河野日出夫先生の研究室では、さまざまなナノ構造(ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノ粒子など)の創製に挑戦し、 新たなナノ現象や特異な性質を、走査型電子顕微鏡(SEM)や電界放射型透過電子顕微鏡(TEM)などを駆使して探求しています。今、取り組んでいるテーマは「カーボンナノチューブの断面の形状について」。カーボンナノチューブはだいたい丸い断面をしていますが、準結晶など違う触媒を使うことにより、新たに四角形や五角形の断面のものを創製できないか研究しています。まだ、世界で誰も見たことのないものに出会えるかもしれない。それがこの研究の魅力です。