脳情報・心理情報学専攻(令和5年度入学生~)

脳活動計測などによって人間についての理解を深め、人に優しい情報通信技術のデザインに貢献する

学ぶ意義

人間の判断・認識能力を上回るようなAIの出現やVR技術の発展により、これまで人間に依拠してきた知性や現実世界の認識のあり方自体が変わる時代になってきました。このような時代では、情報学は私たち人間の脳情報・心理情報により密接に関わることになり、双方の特性と可能性を深く理解することが情報学のさらなる発展に不可欠です。本専攻では、脳活動計測、心理実験、生体計測などを通じて人間についての理解を深め、人に優しい情報通信技術の開発に貢献していきます。

将来の展開

本専攻では、コンピュータ科学の基礎を学ぶと同時に、脳活動計測、心理実験、生体計測などの実践的な技法を通じて人間について理解を深め、脳情報学、心理情報学を修得します。情報通信技術の確かな基礎知識の上に、人間そのものや人間と情報技術のつながりについての専門知識と深い見識を身につけることにより、人に優しい未来の高度な情報通信技術の牽引者となることを期待しています。

こんな講義があります

知覚情報処理

トータルな情報システムを理解するためには、人間が情報を処理する過程についての理解が欠かせません。「画像処理」、「コンピュータグラフィックス」などでの学習の前提となる視覚系を始めとした人間の知覚情報処理について、幅広くかつ深く学びます。

認知心理学

人間に優しい情報システムをデザインするために、人間の特性を学ぶ必要があります。認知心理学は、情報処理的なアプローチで人間の知覚や記憶、学習のメカニズムを学習し、人間がどのように問題解決を行っているかを理解することで、人間に優しい情報システムのあり方を学びます。

こんな研究室があります

認知神経科学研究室 (中原 潔教授)

fMRIや心理実験によって意識や記憶の脳の仕組みに迫ります

jyouhou05.jpg私たちは起きている時や夢を見ている時、自分の意識が連続して流れているように感じます。そして意識の流れの一部は記憶として脳に残り、エピソードや知識として後から思い出すことができます。本研究室は巧妙な心理実験やfMRIによる脳機能イメージングを駆使して意識と記憶の謎に迫ろうとしています。特に視覚的意識に着目し、視覚入力が意識的に知覚される時、脳の中で何が起こっているのかについて研究しています。また10年以上前の古い記憶(遠隔記憶)が脳の中にどのように貯蔵されるのかについての研究も進めています。

視覚・感性統合重点研究室(萌芽研究センター)(篠森 敬三教授)

視覚情報の処理の仕組みと感性応答形成との統合的な理解をめざしています。

jyouhou06.jpgある物を見た時、視覚情報処理機構が出力する結果と今までの経験や記憶とを脳内で比較する事で、まずその物が何であるかを理解します。さらに人は物に対する印象を持ちます。印象は穏やかな、清廉な等の感性的印象語で表現されますが、それらの感性応答には、その物の持つ様々な色、デザインや形だけでなく、その素材や周りの環境、照明なども影響します。最終的な感性的印象は、経験や美的感覚など様々な脳内処理の結果として作られます。本研究室では、物の見え方からどの様に感性的な印象が作られるのかまでを統合的に研究しています。

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