マテリアル工学専攻
ナノ・ミクロ・マクロの領域から新材料開発に取り組む
学ぶ意義
とても軽いけれどとても強い、電流は流れるけれど熱を通さない、電流を流して光も通す等々、人類は相反すると思われる性質を併せ持つ材料を次々と手にしてきました。その背景には高度に発展した「材料科学」があります。古典的な力学、電磁気学、熱力学に量子力学、統計力学を組み合わせ、さらには固体物理学や結晶化学などの知識を駆使することで、かつては夢であった特性を実現する材料を創り出すことができるのです。
将来の展開
自然科学の幅広い知識をもとに材料科学の素養を身につけ、卒業研究を通じて物質・材料を扱うスキル(すなわち合成、特性付与、構造・物性の評価といった高度で実践的な技術)を習得します。製造業を中心とした様々な業界の企画開発、製造、営業部門などでの活躍が期待されます。大学院での学びを通して獲得する深化した専門性と研究力を武器に、さらに先端的な研究開発への道が開けています。
こんな講義があります
金属材料の物理
材料科学は、数学・物理学・化学などの基礎自然科学をベースとして、「物質」から人類の役に立つ「材料」を創り出すための学問です。結晶学を中心に材料の特性を発現させるための組成や構造・組織の制御技術の理解に必須となる固体物理学の基礎を学びます。
マテリアルデザイン
有用な材料の開発は人類社会の発展に大きな影響を与えてきました。種々の材料における特性発現技術や製造プロセスがどのような発想に基づいた研究開発によって確立されてきたのか、具体例に沿って学びます。金属、セラミックス、半導体、高分子材料など材料全般について幅広い知識が身につきます。
こんな研究室があります
※専攻・副専攻に関わらず、学群内のすべての研究室を志望することができます。
先端材料・素子科学研究室 (古田 守教授)
金属酸化物による透明かつフレキシブルな材料・デバイスの創出
柔らかくて全ての曲面にフィットする基材上で形状自由度のある高機能材料や機能デバイスの実現を目指しています。一般的に材料の機能性と合成温度には強い相関があり、耐熱性の低いプラスチック等の基材上での高機能材料実現には多くの挑戦が必要です。本研究室では透明性のある金属酸化物材料を用い、見えない材料によりこの課題に挑戦しています。これまでも見えない材料による液晶ディスプレイやイメージセンサーなどを実証しており、我々の日々の生活や空間に溶け込む材料・デバイスの実現をめざしています。
材料組織制御学研究室 (藤田 武志教授)
組織制御を通じて、未踏の革新的材料の創成をめざしています。
構造材料、機能材料を問わず、材料はミクロレベル、ナノレベルで組織が制御されています。組織制御と組織解析は車の両輪の関係にあり、組織解析も同時に必要です。ナノ材料やバルク材の組織制御を通じて、新奇な多機能性(機械、電気、磁気、熱電、エネルギー、触媒)を発現させます。卒業研究では、ナノ多孔質材料による新奇触媒や3Dプリンターを活用した新機能材料の創発に取り組んでいます。
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